アマゾンなどで販売されているカラーサンド(色砂)やマジックサンドなど子ども用の「遊び砂」から発がん性の高いアスベスト(石綿)検出が相次いでいることを独自調査から報じた。その後2社が石綿含有を認めて発表。この間の取材で、「基準内だから問題ない」との見解を示す事業者がいる。子どもが日常的に触る製品で本当に「基準内」なら問題ないのだろうか。(井部正之)

10~40倍程度の実体顕微鏡による観察でカラーサンドの粒子に混じって見つかったアスベストとみられる繊維束(1月19日に協力を得た分析機関で撮影)

◆国内販売7製品から石綿検出

カラーサンドは砂を着色し、焼成するなどしたもので、砂遊びやサンドアート(砂絵)などの用途で広く出回っている(カラー砂、アートサンド、デコレーションサンドなどの名称もあり、豪などでは総称としてクラフトサンドと呼ばれる)。マジックサンドは砂を着色しシリコン油などを加えたもの(キネティックサンド、シルキーサンド、のびーるサンドなど、さまざまな名称がある)。ふわふわな手触りで成形しやすく、散らばりにくいため、屋内の砂遊びに適していると人気になった。

石綿は吸うと肺がんや中皮腫(肺や心臓などの膜にできるがんで非常に予後が悪い)などを発症させるおそれがある。とくに中皮腫は少量のばく露でも発症リスクがあるとされる。この量までなら安全との「しきい値」は確認されていない。

きっかけは2025年11月、オーストラリアやニュージーランドで子ども向けのカラーサンドやマジックサンドから石綿が検出されたことだ。同12日にオーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)がカラーサンドに石綿が含まれている可能性があると「警告」を発し、3製品の自主回収を発表。同日ニュージーランド(NZ)企業・技術革新・雇用省(MBIE)も自主回収を発表した(当初2製品)。その後自主回収が相次ぐことになる。同15日にはマジックサンドからの石綿検出が発覚。豪で70校超の小学校など、NZで8校の小学校が一時閉鎖されたと報じられた。

カラーサンドやマジックサンドは日本でも販売され、広く流通している。いずれも知育玩具として広く販売され、学校教材にも採用されているという。

こうした海外の動きを受け、筆者はアマゾンやヤフーショッピング、実店舗で計19製品を購入。協力を得た分析機関で国際標準の分析法「JIS A 1481-1」で石綿の有無を調べる「定性分析」をしてもらう独自調査を実施した。その結果、7製品(カラーサンド6製品、マジックサンド1製品)からトレモライト石綿を「微量に検出」した。

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