◆当事者参加に5党「賛成」
各党とも基本的には前向きだが、党によってかなりバラツキがある。
自民党は2026年の政策集に「公害健康被害対策等の着実な実施」として、「アスベスト被害者の救済、アスベストの飛散防止など、公害等による健康被害への対策を着実に進めます」と記載していると挙げる。具体性のない一般論である。
ただし、これまで物価変動を考慮されていないことが批判されていた救済給付について、石破茂政権下の2025年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2025」で、長年据え置かれたままの公的制度に係る基準額などを「省庁横断的・網羅的に点検し、見直しを進める」と方針を示した。これを受けて12月26日、石原宏高環境大臣が「給付額については、2025年の全国消費者物価指数等を反映した類似の他制度の給付額等を踏まえ確定させ、2026年4月から適用できるよう、今年度末までに必要な政令改正等の手続を進めることとしております」との談話を発表。ようやく物価変動が考慮される見通しだ。
維新は「被害を受けた方が取りこぼされることのない救済の枠組みの構築に向けて、国に対して誠実に向き合うことを強く求めていきます」と回答。協議会のことには触れなかった。
中道は「生活が困窮する場合の増額」に言及しつつ、「生活実態などを考慮し、現行の石綿健康被害救済制度を必要に応じて見直すとともに、法の運用を柔軟に行うなど、より適切な救済の実現を図っていくことが重要」との見解だ。さらに「縦割り行政を排し、情報公開・情報開示の促進や、患者・家族をはじめとする関係者の参加を確保」して「アスベストによる健康被害にあわれた方々の救済対策を総合的に推進します」と当事者参加について明言。過去の公開質問で、ほぼ国の言いなりの主張をしていた公明党の影響はいまのところ出ていないようすだ。
国民は「残された課題に対応するため、縦割り行政を排し、情報公開、情報開示の促進、患者・家族をはじめとする関係者の皆さんのご意見を踏まえる」こと、「関係者の皆さんの参加を確保」して対策を「総合的に推進します」と例年通り回答した。
れいわは「遺族年金を創設するなど労災制度に近づけていくべきです。そして、責任に基づいた補償給付を実施している公害健康被害補償法を念頭に、療養手当を拡充すべきです」と回答。続けて、「被害者の声を聞く石綿健康被害救済推進協議会を創設すべき」「当事者の恒常的な参加を認めるべき」と明確だ。また、高額療養費制度や労働施策総合推進法改正案(通称カスハラ法案)などの制度変更手続きにおいて、「利用者や障がい者など当事者の声を聞く機会を設けることを訴えております」とアピールした。
共産党は「当事者代表を加えた、省庁横断の協議会創設に賛成です」と表明。2021年の検討時は「委員会の構成からして不公正」と指摘し、「当事者代表に加え、専門家、労働者、使用者の各代表からなる省庁横断の協議会にすることはもちろん、当事者代表を他の代表と同数以上の人数とすることが必要です」と回答。そのうえで「救済範囲に差があることや、労災認定が厳しすぎる問題などを議論すべき」として、2022年6月の参議院環境委員会でこれを踏まえた質疑をしていると付け加えた。
社民党は「アスベスト被害を『労災・公害として国の責任で全面救済すべき人権問題』と位置づけ、被害者間の格差解消と制度の抜本改善を求めてきました」と指摘し、「労災補償と石綿健康被害救済制度の二重構造により生じている給付格差や、国鉄職員遺族が特別遺族給付金の対象外とされている不合理について是正が必要」「被害当事者の参画を重視し、国の責任で省庁横断的な体制を整える立場です」との見解だ。























