◆早急に確認と自主回収を

石綿含有だった7製品の1つが、シルバーバックの「カンタン!たのしい!水の生きもの砂絵セット」(ISBN:9784861488733)だった。

報道後の1月23日、同社は「製造元において再度、検査機関へ提出のうえ追加検査を実施中」と発表。

じつは発表の際、ハローキティ砂絵セットなどサンリオとのコラボ4製品について、「すでに検査結果の報告を受領」し、石綿「未検出」のため、「安心してご使用いただけます」と“安全宣言”していた。それら4製品は以下である。

・カンタン!たのしい!砂絵セット マイメロディ (ISBN:9784861489334)
・カンタン!たのしい!砂絵セット ハローキティ (ISBN:9784861489327)
・カンタン!たのしい!砂絵セット はぴだんぶい (ISBN:9784861489358)
・カンタン!たのしい!砂絵セット シナモロール (ISBN:9784861489341)

だが実際には、少なくともハローキティ砂絵セットは石綿含有だったのである。

協力を得た分析機関で実際に目の前で再分析してもらったところ、小さなトレーに薄く入れたカラーサンドを倍率10~40倍の実体顕微鏡で覗きつつ、ピンセットでより分けて繊維状の粒子を探すのだが、5分足らずで10数粒子を採取。それからプレパラートを作って最大400倍の偏光顕微鏡で観察し始めて2分もしないうちにトレモライト石綿の繊維束を複数同定した。

分析技術者は「基準超かどうかは定量しないとわからないですが、比較的すんなりトレモライト石綿を検出しています」と明かす。

基準超かどうかは現段階で不明だが、石綿含有は間違いない。シルバーバック製品の製造元が委託した分析で石綿を見落としている可能性が高い。

同様に“安全宣言”した残るサンリオとのコラボ3製品や同社が1月下旬に「分析中」と発表して以来、分析結果を明らかにしていない次の3製品についても、石綿含有の可能性が相当高いのではないか。

・カンタン!たのしい!ゆめかわ砂絵セット (ISBN:9784861488740)
・カンタン!たのしい!どうぶつ砂絵セット (ISBN:9784861488726)
・カンタン!たのしい!きょうりゅう砂絵セット (ISBN:9784861488719)

同社に2月13日、石綿見落としの可能性やそのほかの製品の分析結果、発行部数、石綿混入を防ぐ品質管理体制、自主回収の必要性などの質問事項をメールで送ったが、17日午後8時までに回答はない。

前出発表で同社は「すべての製品においてお子さまの安全と安心を最優先に考え、企画・製造の各工程において厳格な品質管理体制を敷いております」と豪語。その実態がこの“惨状”である。

本当に「厳格な品質管理体制を敷いて」いるのなら、ここまでは確認していたと説明するのではないか。そうした説明がないあたり、おそらく2025年11月のオーストラリアやニュージーランドでの石綿検出が報じられるまで定性分析したことすらなかったのではないか。

同社は1月に問い合わせた際、「会社としてお返事の内容をまとめますので、もうしばらくお時間いただけると幸いです」と返信があったが、結局回答はなかった。その後電話してもいつも担当者不在、連絡先を伝えても一度も連絡はなかった。今回含め3回メールで質問事項を送ったが、一度も回答がない。おまけに1月下旬の発表からすでに1カ月近くが経過しており、明らかに分析結果が出ているはずなのに発表もない。

発がん性がきわめて高い石綿が含まれた製品を売って、子どもに使わせておいて、説明責任すら果たさないのは許されない。同社ウェブサイトの「代表よりごあいさつ」とのページには、「弊社の願いは、お子様が健やかに育つことです」とあるが、その理念に反した対応ではないか。

同社は早急に一度関連製品の販売を停止し、技術力の高い分析機関で徹底した分析により石綿含有を確認し直し、自主回収に踏み切るべきだ。あるいはすべての製品を石綿検出が筆者の独自調査で確認されるまで、放置するつもりなのか。「当社商品を通して『笑顔に寄り添う』」想いはどこにいったのか。

【関連資料】ハローキティ砂絵セットからのアスベスト検出を示す証拠の顕微鏡写真や再分析のようす

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