【イラクでは現場取材していた韓国人記者だが、今回、アフガニスタン現地での取材はなかった。写真はバグダッドで防弾チョッキを着て取材する韓国KBS放送のクルー(2004年/FILE】

アフガンにひとりもいない韓国人記者 (その2)
韓国メディアがアフガニスタンに入れないなか、現地から今回の事件を報じた日本のNHKや共同通信の特派員をうらやむ韓国の記者や言論人は少なくなかった。

日本のイラク戦争報道では、大手メディアが「撤退」した際、フリージャーナリストがあの手この手でイラク現地に入り、スクープ取材や最前線リポートを送った。しかし、今回、アフガン現地に向かったフリーランスの韓国人記者はいただろうか。

韓国では大メディア、企業メディアの支配は強大で、個性を生かしたフリーランスが独自取材を発表できる場は限られている。こうした大事件のときでさえフリーが活躍できない構造があるのだ。
メディアの現地入りを困難にしたもうひとつの理由に、韓国政府が新しく定めた旅券法の発効がある。

新旅券法では政府が指定した旅行禁止国に許可なしで渡航した場合、1年以下の懲役か300万ウォン(約37万円)の罰金が科せられる。記者も旅券を管轄する外交通商部の許可を得なければならない。(アフガニスタンは拉致事件後の7月21日、渡航制限国から渡航禁止国になった)
事件を通じて明らかになったのは、韓国メディアの国際報道への熱意の低さだ。80年代、独裁政権と命かけで闘い、言論を勝ち取りながらすばらしい取材、記録を残してきた韓国ジャーナリズムはどこに行ったのだろう。

メディアは教会や政府に批判を加えてきたが、今回の事件で、もっとも反省しなければいけないのは、韓国のすべてのメディアのではないか。報道をいまいちど振り返り、検証しておくべきだろう。

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