人物デッサンをする教え子たち。(2019年撮影・カブール市内で・モハンマドさん提供)

◆不安募らせる芸術家

アフガニスタンのイスラム武装組織タリバンは、各地の州を次々と制圧し、首都カブールに向け進攻。タリバンが再びアフガニスタンを統治することになるのか。緊迫する情勢のなか、住民には様々な思いが交錯する。「女性の行動が制限される」との懸念のほか、「国際社会に受け入れられるためにタリバンも変わったはず」とする声もある。絵画や音楽に携わってきた芸術家の多くは、タリバンから迫害にさらされるのではないかと危惧している。15日、カブール在住の芸術家にネット回線を通じて話を聞いた。(聞き手:玉本英子・アジアプレス

◆モハンマドさん語る

私はカブールの美術研究所で講師をしています。芸術家志望の150人の学生に絵画やデッサンを教えてきました。先日、研究所が閉鎖され、今後、職場がどうなるのか心配でなりません。人物画を描き、教えてきた私を、タリバンは「不信仰者」とみなすでしょう。これまで描いた多くの作品も廃棄されるかもしれない。

今日(15日)の午後、地区では、すべての商店が閉まりました。私は食料などを買い込み、妻や友人たちとカフェへ行きました。タリバンが政権を取ったら、二度とこんな自由な雰囲気でコーヒーを飲む機会もないかもしれないからです。特に女性は行動を大幅に制限させられることになるでしょう。

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