深く静かな怒り~その2

yanagi_071003_4.jpg【地元テレビ局は現場仮設スタジオからから生中継】

人口130万人の県で、なんと11万人が参加した。まあよほどの高齢者と赤ん坊を除けば、10人に1人がひとつの会場に集まったということである。NHKを含みテレビ各局も会場に仮設スタジオを設けて、特別番組を組み、生中継をした。上空にはヘリやセスナも数機飛んでいた。

復帰後最大規模と謳われている(復帰前には米軍の土地収容問題でもっと大勢が結集したことがあるらしい)。
12年前の米兵による少女暴行事件のときを上回ったわけで、硬いテーマにもかかわらず、あのとき以上の広く深い関心を呼んでいることに、私自身目が覚める思いだった。
この日の集会のテーマは、「教科書検定意見の撤回を求める」というもの。

yanagi_071003_5.jpg【球児も練習の合間を縫って参加】

沖縄戦の集団自決に関する記述において、「日本軍の関与」を曖昧にさせるような「意見」が文科省から教科書会社に対して出された。その「意見」を撤回せよというのが、今回の県民大会の趣旨なのである。
私は知人宅に泊まって、その日(9/29)は、南風原町からバスに乗せてもらった。
昼過ぎ、役場前には十台ほどの観光バスが停まっており、続々と町民が参集してきた。まさに老若男女。南風原は那覇のすぐ隣で、戦時は陸軍の病院があって、猛攻撃の対象となり、住民の四割が戦死したという。実際、一家全滅という家庭も多く出たところである。

yanagi_071003_6.jpg【発言者の声に耳を傾ける】

町民を満載したバスは小一時間で宜野湾市へ。
会場まで800メートルをさらに歩く。午後2時アトラクションが始まる。ほぼ150メートル四方の海辺の広っぱ。日陰はほとんどない。

9月とは思えない太陽が、火炎を浴びせるように人々を射す。さすがに地元の人たちは、全身を覆う完全防備。野球帽一つの私に、知人が菅笠を貸してくれた。
最初は場内をうろうろすることもできたが、しだいに湧くように人の群れが現れ、気づいた時には、身動きもとれないほどの混みようとなった。

会場全体がフライパン上のような熱気のなか、人びとはほとんど私語もなく、じっと正面を見つめている。ただ後ろ半分の人には、ステージの在り処さえ定かではなかったろう。
ほとんど「点」だ。11万人が集まるということは、こういう状態を指すのである。これに宮古・石垣での集会を含めて、11万6千人が公式発表。(つづく)