ご冥福をお祈りします、山本美香さん。
でもやはり、あなたの死は、早すぎた死あり、無念の死であり悔しい死であります。仲間として、同じ世代のジャーナリストとして、やはりそう思います。
あなたがおもに紛争地を取材地として選び、困難と危険を知りつつ現場に通い続けてきたのは、そこが人間社会の矛盾と葛藤が、もっとも激しく現れる場であり、それでもそこに暮らさなければならない人がいるからでした。またそこが、直接目で見て伝えることがもっとも困難な場所だからでした。
今、世界でもっとも危険な地域の一つであるシリアに赴いたのも、いったい、国内で起こっていることは何なのか?子どもやお年寄りや農民など、平凡に暮してきたはずの普通の人々は、どんな境遇に置かれ、何を望んでいるのか?それを自分の目で見て確かめるためだったに違いありません。
20年近く現場取材経験を積み、発信を続けてきたのだから、これから、本当に山本美香にしかできない、やらなければならない、そしてやりたい仕事がいっぱいあったはずです。道半ばで倒れたことがあまりにも惜しくて、あまりにも残念です。
どうぞ安らかにお眠りください。石丸次郎

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