名古屋大学などが宇宙からの素粒子を使って福島第一原発の原子炉を透視した結果、2号機の核燃料の70パーセントから100パーセントが熔け落ちている可 能性が高いと報じられた。当初から指摘されていた可能性が、それがほぼ裏付けられたことになる。この問題について元京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章 さんに聞いた。(ラジオフォーラム

ラジオフォーラムの収録で語る小出裕章さん

ラジオフォーラムの収録で語る小出裕章さん

ラジオフォーラム(以下R): 1号機も全部熔け落ちていることが分かって、2号機もこの状態だったということですが、どのようにお考えですか。

小出:何をいまさら言っているのかなと私は思います。1号機も2号機も3号機も全部、ほぼ100パーセント熔け落ちていると、私はずっと以前から言っていますし、恐らくそうなっていると思っています。

R:政府や東京電力はまだこの燃料デブリ、つまり熔けてどこかにあるはずの核燃料の堆積物を取り出すと言っているのですが、本当にできるのでしょうか。

小出:政府も東京電力もこれまで原子力に関する限り、ずっと甘い見通しでやってきたのです。もちろん、事故そのものが起きないと彼らは言ってきたわけですし、残念ながらそんな彼らの甘い見通し通りにはいかず、事故そのものも起きてしまいました。

その後も常に彼らは甘い見通しでこれまでやってきたわけですが、事故の収束ということも、私は彼らが描いている絵があまりにも甘すぎて「そんなものは到底実行できない」とずっと発言してきましたし、今もそう考えています。

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