(参考写真)ガソリン価格の高騰で金を取って荷台に客を乗せる「サービ車」の値段も上がっている。2013年3月平安南道平城市にて撮影アジアプレス

 

4月中旬からガソリンや軽油の価格が高騰している北朝鮮で、ロシア産のガソリンが流通し始めていると、北朝鮮内部に住む取材協力者が伝えて来た。(カン・ジウォン)

6月2日、咸鏡北道に住む取材協力者は、ガソリンの流通状況を調べる過程で会った油類を専門に扱う商人から、ロシア産のガソリンが国内で流通しているとして、次のよう伝えてきた。

「最近、羅津(ラジン)にロシアのガソリンが入って来ているそうだ。ガソリン商売について調べるために会った油商人によると、『5月末に燃料の購入のために羅津に行った時に、ロシアのタンクローリー車三台が来ていた。それらは量的にはたいしことはなく、(ガソリンは)船舶や公海上で受け渡しされている」とのことだった。
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その燃料商人によると、『ビニール製の代替ドラム缶のような容器で(ガソリン)を引き渡された。その容器がとてもよくできていたので使いたかったが、引き渡し現場でその容器は返却しなければならなかった』と言っていた」

羅津のある羅先市には、北朝鮮とロシアを結ぶ唯一の国境橋があり、鉄道で結ばれているが自動車の通商口はない。

羅津からの燃料の流入については、
「平壌から来た多くの貿易会社の人間が、ロシアの会社の人間と打ち合わせしていたので、国家間ではなく、貿易会社間でガソリン取引をしているのではないか思う』と言っていた」

と、取材協力者は述べた。

国連安保理の対北朝鮮制裁決議では、原油やガソリンの交易は制裁事項ではない。油類で対北朝鮮輸出が制限されているのは、航空油とロケット用燃料だ。

したがって、ロシアが北朝鮮にガソリン輸出をしていたとしても、国連制裁違反とはいえない。

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