(参考写真)平安北道の新義州市の昼と夜。中国側のビルの同じ場所から撮影した。電気供給が優先される新義州も夜の灯りはまばらだ。2015年8月石丸次郎撮影

北朝鮮の発電は、水力の比率が6割以上で、例年12月末から3月中旬まで河川凍結のために電気供給が極端に落ちる。しかし、今年は4月に入ってからも地方都市の電力事情は回復せず、「絶電」状態が続いている所が多い。

「以前は停電しても、電気が来るのを待ったりもしたが、停電が常態化して期待すらしなくなった。市場では家電製品が売れなくなっている」とは、前出会寧市の協力者の弁だ。

一方で、保安署(警察)、人民委員会(地方政府)、軍部隊などの国家機関や重要な工場には、一定の電気供給があるという。

また、首都の平壌は特別だ。4月中旬にビジネスで中国に出国してきた平壌居住者は、アジプレスとの通話で「一日に8時間程度は一般住宅に電気が来ている」と述べた。

金正恩政権は、地方の一般住民を切り捨てて、限られた電力を権力機関や、重要企業、平壌などに優先的に回している。

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