1996年から北朝鮮の山に新しい墓が続々増えているのが中国側から見ても分かった。1997年8月中国側から撮影した咸鏡北道茂山(ムサン)郡付近の山肌。撮影石丸次郎

余裕がない家では、しかたかなく借金をして亡骸を掘り起こして火葬している。遺骨を川に撒く「水葬」を選ぶ人も多いという。「政府が火葬して金儲けしていると不満が強い」と両江道に住む別の協力者は言う。

ふたつ目の不満は、大切にしてきた先祖や家族の墓を粗末に扱わざるを得ないことだ。茂山郡の取材協力者は次のように言う。

「昔から先祖を祀ることを大切にしてきたのに、なぜこんな仕打ちを受けるのかと憤る人や、墓をいい加減に扱うと3代が滅びるぞと不安がる人もいる」

金正恩政権は、今後は一切土葬を認めず、火葬せよと通達している。(カン・ジウォン)

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