中国米のほとんどは収穫から時間が経った古いコメだ。「質より量」を重視する政府が、中国から低質安価な米を輸入しているからだ。

北朝鮮では、新しくて粘り気のある国内産米の方が人気が高く、中国産より5%程度高いというのが、この20年間変わらぬ相場になっている。国産米が品薄になっているのは、やはり昨年の猛暑と雨不足で生産不振だったためだろう。

金正恩政権は、国家保有食糧を体制維持にとって重要な軍、公安機関、党、政府機関、建設動員者、重要企業、平壌市民から優先的に配給してきた。ところが、これがしばしば市場に流出していく。腐敗幹部による横流しや、金に困った機関が売り払うためだ。

市場で国産米が品薄になっているのは、国家機関や国営企業の手持ちの在庫が底をつきかけていることを意味する。(カン・ジウォン)
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮内に搬入して連絡を取り合っている。

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