東京都板橋区・ハッピーロード大山商店街の再開発をめぐるアスベスト問題で、住民が求める第三者による再調査や監視に対する補助適用の可否について、国・都と区で見解が異なっていることが明らかになった。(井部正之/アジアプレス)

板橋区役所前で建設現場のアスベスト被害救済を訴える支援者。解体工事のアスベスト被害防止も訴えていた

◆第三者による再調査必須

現在、同商店街を斜めに分断する都の道路(補助第26号線)建設に加え、2つの再開発が進行中だ。上記道路の一部を整備し、2棟のタワーマンションなどを建設する「大山町クロスポイント周辺地区」再開発では、同商店街に面した建物など計31棟を解体することになっており、アスベスト飛散が懸念されている。

7月下旬の説明会で再開発組合側は、アスベストが使用されているのは「31棟のうち7棟」で、一部「調査中」と発言。のちに31棟すべてにアスベストが使用されていることが判明した。

しかも8月下旬に専門家らがアスベストの事前調査結果報告書を閲覧したところ、調査ミスが疑われる記載をいくつも確認した。そのため住民らは、施工計画も含めた説明会の再実施に加えて第三者機関によるアスベストの再調査、除去作業中における監視・指導、完了検査の実施などを申し入れた。

再開発組合や施工業者は「必要な調査は完了しており調査漏れはない」と反論。住民側の申し入れをすべて拒否している。

報告書を閲覧したNGO「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」事務局長の永倉冬史氏は「現状では事業者側が自分たちの調査結果は正しいと主張しているだけで第三者がそれを裏付けていない。その主張が本当かどうかわからない状況です」として、信頼できる第三者機関による再調査が必須と指摘している。

発注者や工事受注者にすれば、法に明確に実施が義務づけられていないことはしたくない、余計な費用は掛けたくないというのは当然だろう。だが、法はあくまで「最低基準」でしかない。安全のためには最低ラインを超える費用を掛ける必要が生じることもごく当たり前のことだ。そして、第三者機関による再調査や監視が行われる事例も珍しくない。