20040618_01_01.jpgアジアプレスインターナショナルの野中です。今日は自己責任論についての僕の考えを述べたいと思います。
橋田さんとは20年くらい前からベトナムやタイの取材でご一緒させて頂いて、昔から知っている人です。

橋田さんや小川さんのようにフリーランスのジャーナリストは、いまもイラクで取材を続けています。アジアプレスは2人のジャーナリストがバグダッドにいます(6月初旬に帰国)。何人の日本人ジャーナリストが残っているかはわかりませんが、マスコミは朝日新聞やNHKなど7人、それにフリーランスですね。

自己責任論について西野さんが「萎縮」という言葉を使いましたが、僕自身も二十数年マスメディアで仕事をしていて、今ほどマスメディアが萎縮している時代はないと思います。それは自主規制であったり、これほど政府に寄り添う形の報道が強まった時代はなかったと思います。

非常に危機感を持っています。例えば、立川の自衛隊官舎にビラを配って逮捕された事件がありました。自衛隊の官舎に「自衛隊撤退」という反戦のビラを配っただけで75日間も拘留されたそうです。東京都では日の丸掲揚、君が代不起立に対する処分が行われています。この流れの中で、自己責任論というものが出てきたんだと思います。マスメディアも含めて全体的にものが言いにくい状況になっていることを確認して話を進めたいと思います。

フリーのジャーナリストについて話をします。最初の人質事件が起きた時、様々なことが言われましたが、僕自身は全く筋違いの論理だと思いました。僕が二十数年、戦争や難民発生の現場を歩いてきて目撃したことは、NGOや市民の活動が世界の人々の命をどれだけ多く救ってきたかということです。国際機関や国といった大きな組織では救援できない現場が世界にはたくさんあります。そこで地道に世界の人々の救援の声に応えてきたのはNGOだと思います。NGOが果たしてきた役割に対してマスメディアも日本の社会もほとんど反応していません。

NGOの人達は自分勝手で好き勝手なことをやっている、というイメージだけが先行しましたが、それは間違いです。世界中で様々なNGOが自分達の存在をかけて救援活動にあたってきた歴史を正当に評価すべきだと思います。NGOを支えてきたのは高遠さんや今井君のような一人一人の勇気です。その勇気と行動力を評価するような社会でなければならないと思います。
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