保衛部の検問所のことを「10号哨所」という。写真は郊外から平壌に入るバスを検問する保衛部の軍人(2006年8月 リ・ジュン撮影)

 

「将軍様が新義州を現地指導をした」という噂を聞いた記者シム・ウィチョンは2006年10月、新義州へ商売に行って来たという中学のときの同級生の女性に会った。そして、現地住民たちの間で噂になっている話を彼女から聞き出した。

まともな報道がなされていない北朝鮮では、このような「民衆の噂話」が、人々の情報に対する飢えをある程度癒してくれる効果を持っている。
以下は、その時の「噂話」を整理したものである。

シム・ウィチョン:新義州の方に頼んできた商売はうまくいった?
女性:うまくいったわよ。

シム:そうかい。新義州では現地指導のニュースも聞いたんだろ?
女性:皆、いろいろ話してたわよ。フフフ。

シム:あれはいつだっけ?
女性:19日。なんだか知らないけど、女だけ取り締まっていてもう大変だったんだから。スカートをはいてないからどうだこうだと。

シム:どこで?
女性:検問所でだよ、腹が立つ!
まず、バスが保衛部の検問所の所で止まるじゃない。そしたら身分証明書を見せて、次に警察の検問所では、バスから降ろして歩いて通過させるんだけれど、このときになぜスカート履いていないと言われるの。
そんなの、こっちは旅行中なのに、急に取り締まりされてもどうしようもないわよね。いつもズボンばっかりはいてるのに。
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