しまいには、「韓国からの援助は偉い人が持っていってもいいし、それで商売でもして儲けるんなら儲けてもいいから、頼むから民衆の商売を取り締まったり、余計な干渉はしないでほしいもんだ」って言い合っている(笑)。

民衆は韓国からの支援をだんだん喜ばなくなってきてるよ。正直言って、支援してくれて、その物資が民衆の手にちゃんと渡るんなら感謝するがね、実際は、国家が全部総取りして、幹部らだけで山分けするんだもんな。
我々にすれば、ラーメンだろうがコメだろうが、「支援物資が来るんだとさ」って一言で終わりだもんな。お目にもかかれない。支援物資なんて、そんなもんだ。
(つづく)
注1 何かの行事や事件がある度に、北朝鮮ではいつも保衛部が流布する流言飛語が出回る。
二〇〇〇年の首脳会談当時も幼稚な噂が流れた。たとえば「金大中は将軍様の前でひざまずいた」とか、「献上品を持って来た」などだ。
北朝鮮が住民を統制する基本手段の一つは、仮想敵に対する燃えるような敵がい心、下品な嘲笑の助長だ。一つの敵を作って、全体を固く団結させようという全体主義的手法だといえる。

注2 記者たちの証言によれば、韓国の商品が数多く入っている現在の北朝鮮では、当局が使用する「南朝鮮」、民間で使用していた「下のお隣さん」という用語がだんだん消えており、住民の中で「韓国」という呼称が少しずつ浸透している。発言の中で南朝鮮と韓国が混在しているのはそのためだ。次の3回へ

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