いっそのこと仕事を犠牲にし、党生活総和に毎回参加して、しっかりと党員としての規律を守っていればよかったのだ。
父との仲が完全にこじれてしまった党秘書は、労働党のいつもの手を使ってきた。
つまり、党の規律に違反し、「党の唯一思想体系」を否定したとして、父を政治的に陥れたのである。

「党組織」の看板を掲げた者たちにこんな言いがかりをつけられたのでは、どんな大物でも抵抗のしようがない。党に憎まれた者は皆、こうしてなすすべもなく「革命化」対象に陥れられ、労働党と社会安全部(または国家保衛部)が企んだ通りに管理所に閉じ込められるのだ。
父もそうして囚われの身となった。「18号管理所」には、そんな人々が数知れずいるのだ。
労働党の下では、力のある者がその気になれば、政治的濡れ衣を着せて誰かを消すなんてことは朝飯前だ。一〇大原則(注2)の前では、じたばたもがいているうちに消されることになる。

父は金を盗んだりはしていないので、経済犯ではなかった。しかも一〇大原則に触れることもしてなかった。ただ幹部としての力が弱かったせいで、権力争いに負けてしまったのだ。
次のページへ ...

★新着記事