朝鮮では強制労働が処罰の形態として広く採用されている。写真は、保安署(警察)の中の壁に掲げられていた「軍部動員違反者の制裁の種類」の掲示板。その中に「6か月までの無報酬労働」の項目がある(2番目)。(2005年6月咸鏡北道 リ・ジュン撮影)

朝鮮では強制労働が処罰の形態として広く採用されている。写真は、保安署(警察)の中の壁に掲げられていた「軍部動員違反者の制裁の種類」の掲示板。その中に「6か月までの無報酬労働」の項目がある(2番目)。(2005年6月咸鏡北道 リ・ジュン撮影)

 

北倉(プクチャン)18号管理所出所者の証言 8

「18号管理所」は企業所?(承前)
「管理所」内にある「無報酬」とは、文字通り、報酬なしの懲罰的強制労働をさせる機関のことだ。
そこに私も二回入れられことがあるが、人を殺すためにあるような恐ろしい場所だ。
一般社会で言う労働鍛錬隊(「行くぞ部隊 1」の注を参照のこと)にあたり、罪を犯した者に懲罰を与える場所なのだが、労働鍛錬隊よりはるかにひどい所だ。
それは「管理所」内に設けられた特別区域内にある。そこに入るためには、あの西大門(ソデムン)刑務所(注1)のような重い鉄門を通過しなければならない。

ぞっとするようなコンクリートの壁に完全に閉ざされ、どんなに叫んでも声が外に聞こえることはない。おまけに壁の上には高圧電流の流れる電気鉄条網も高く張り巡らしてある。
その囲いの中の「無報酬」の、またその中に特別区画で仕切られた「教養所」が存在している。その中に入れられる者を「教養生」と呼ぶ。
「教養所」は、もともと教育的矯正施設のことを言ったが、「管理所」におけるそれは「特別懲罰房」のようなものである。
刑期は六か月から一縲恣Nだ。頭を丸坊主にさせられた彼らが入る場所は、まさに地獄だ。それに比べれば「無報酬」監獄はずいぶんましだ。

ところで「管理所」になぜ「教養所」が必要なのだろうか。それは、ちょっとプライドが高かったり気の強い人の気をくじくためである。
そこに入れられると、どれほど情けない気分になることか。労働は厳しい上に、ほとんど何も食べさせてもらえず、気をくじくのにおあつらえ向きな場所なのだ。そこで二か月ほど過ごせば、どんなに体格の良かった人も骨と皮だけになってしまう。

「無報酬」では家族との面会も、規定では一切できないことになっている。
母は私と面会するために様々な手を尽くし、ついには最後に残った財産だった冷凍機を売った。その金を「無報酬」の所長に握らせて、面会を頼み込んだのである。

わが国で配給ストップのような事態がなかった七〇年代までは、賄賂が通じなかったというが、今では金さえあれば何でもできる世の中になった。
あれほど厳重に統制されていた「教養所」の内部事情も漏れ聞こえてくるようになった。私たちが入れられたときには、既に「管理所」の体制もあちこちにほころびが見えており、賄賂は大いに有効であった。
ある日、看守が私を呼んだ。
「おい、ミョンオ! 出て来い」
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