清津市内の露天市場(2004年7月 リ・ジュン撮影)

清津市内の露天市場(2004年7月 リ・ジュン撮影)

 

食糧価格が下落しつつあるようである。相変わらず地域差が見られるものの、白米もトウモロコシも各地で下がっている。
米国からの50万トンの支援食料はまだ届いていないし、外国からの大量輸入があったという話も聞かない。
つまり、北朝鮮内の食糧在庫が増えた兆候はないのに、食糧価格が下がり始めているわけだ。
これは、この度の食糧価格の急騰の原因が、「食糧不足」ばかりではないことを物語っている。(整理 石丸次郎)

◆価格動向
1キロ当たりの市場での価格である(単位は朝鮮ウォン)。

◆5月30日 清津市
(青岩市場)
会寧市
白米 3500 2800
トウモロコシ 1300 1000
ガソリン 4900 4800
1ドル 3650 3500
1元 500 467

 

◆6月1日 清津市
(水南市場)
会寧市 両江道恵山市
白米 2800 2800 2200
トウモロコシ 1300 1000 1700
ガソリン 4900 4800 4500
1ドル 3600 3400 3300
1元 500 470 470

改めて述べるまでもないことだが、ドル、元の相場は、北朝鮮政府が発表している公定レートではない(ドルの公式レートは2006年3月で139ウォン)。
会寧の相場で見てみると、白米1キロ2800ウォンは、中国元で約5.9元、日本円に換算すると約85円。まだ相当に高い。
ちなみに中国東北米の小売価格は5月末現在3竏窒S元だ。

恵山市の場合は同様に約4.7元。恵山市の米価が安いのは、活発な密輸のためである。鴨緑江上流に位置し、中国の吉林省長白県と向い合う恵山市は昔から非常に密輸が盛んであった。
「毎晩数10トンづつが、川を越えて運ばれてきている」
と、恵山市に住むリムジンガンの取材パートナーは伝えてきた。
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