年齢制限によって路上の物売りもすっかり老人ばかりが目立つようになった。平壌市船橋区域の路上で座り込んで商売する女性たち。(2007年10月下旬 リ・ジュン撮影)

 

「民衆はだんだん嫌になっています」1 取材 シム・ウィチョン
リムジンガン編集部は、二〇〇七年一〇月頃から始まった「市場抑制」に対する住民の反応の調査を計画した。このため、記者シム・ウィチョン(沈義川)は、一一月上旬、平壌に赴きクァク・ダルホ、チョン・ジェピル(二人とも五〇代の男性事務職、仮名)に会い取材した。
本音を話しにくい、一般人が接触できる情報に限りがあるなど、北朝鮮特有の制約の中で行われた取材であるものの、二人の発言はある程度、北朝鮮の今の空気を反映していると考えられる。

うまく行っていた市場の状況
クァク・ダルホ:
ジャンマダン(注1)のキャンディ食べてみたでしょう?
シム・ウィチョン:ええ、食べてみましたよ。

クァク:個人がジャンマダンで商売しているキャンディが、国家で生産しているものなんかより、どれだけちゃんとしたものを作っていますか。
彼らがどういう人たちかというと、食料品工場に勤めていて八〇年代、九〇年代に退職した人たちとか、工場がストップしてしまったので辞めた人たちなんです。
家で朝鮮飴とかキャンディとか作っていますが、彼らが中国産原料を調達してきて作ってるキャンディの方が、国家が生産するものよりずっと質がいいんですよ。

シム:もしそんな人たちが、小さな自分のアメ工場を持って働けば、たくさん稼ぐでしょうね。
クァク:そら、そうでしょう。だから、そんなことは国家が承認しないじゃありませんか。
パンもそう。個人が家でパンを炭火で焼いたやつは、工場の製品なぞは足元にも及びませんよ!
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