結局のところ、「革命化」の総元締めであり総責任者であるのは、金正日総書記だ。(わが民族同士HPより)

結局のところ、「革命化」の総元締めであり総責任者であるのは、金正日総書記だ。(わが民族同士HPより)

北倉(プクチャン)18号管理所出所者の証言 13
中央党にとぐろを巻いている人殺し

現在、朝鮮では幹部たちはすべて金でつながり、金のために勢力争いを繰り広げていて、そのために何の罪もない人が陥れられることがしばしばある。

私が思うには、将軍様も自分の下にいる大幹部らがみなこの調子なので、いろいろと大変なのではないだろうか。問題があまりにも複雑で頭が割れそうになっていることだろう。

実際、「管理所」に収容されてきた多くの忠臣たち、たとえば私の父をはじめ、私の知り合いの多くがその勢力争いの犠牲者なのである。
さて、「18号事件」が何とか一段落し始めたちょうどその頃、中央党行政課長が家族と共に追放されて「18号管理所」へ収容されて来た。先の「申訴事件」でカセットテープをXより先に受け取って将軍に報告したのがこの課長である。

中央党組織部行政課長と言えば、権力体系からして、社会安全部や司法、検察、裁判部門を統括するボスである。ある意味、彼のサインひとつで「革命化」の処罰を下された多くの幹部たちが、家族もろとも「管理所」という統制区域に収容されたわけだが、今度はその当の本人が「革命化」にかけられ、家族と共に「18号」に収容されてきたのだ。

なぜそうなったかというと、後に彼が信頼を寄せている者たちが調べたところによると、六号室(党員たちの党生活の指導関連専門部署ではないかと思われる)に残された資料には「行政課長の○○が南朝鮮の安企部から金を受け取ったため18号へ収容された」と書かれていたという。だが、行政課長は「安企部から金を受け取ったことは絶対にない」と言ったらしい。

しかし、「苦難の行軍」の頃から始まった幹部たちに対する将軍様の思想検討方針により、保衛部がいったんその容疑を着せれば、相手が誰であろうと、疑いを晴らすのは簡単ではない。結局、上司が自分の評定文(注1)をどう書くかに委ねられているのだ。
従って今のようなご時勢では、提議書を出すことが許されている上層部は、中央の幹部の誰かが自分の秘密(多くの場合不正蓄財である)に気付いたという気配がするだけで、とにかく「革命化」にかこつけて「管理所」へと送りこんでしまう。

「あいつを始末してしまおう」と上層部が判断すれば、その幹部と家族はおしまいだ。その上層部が政治的に粛清されないかぎり、その幹部は出て来られないことになっている。
長年そこにいた経験から言えば、「管理所」というのは他でもない、上層部の秘密を守り抜くために中央の幹部たちを放り込む施設なのである。
私に言わせれば、将軍様も同じ穴のムジナだ。なぜなら、そういうことをする上層部はもとより、革命化 竏秩u管理所」制度の実権を握る者すべてが将軍様と直接関係のある奴らではないか。
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