朝鮮では改革が進まず社会が腐りきっているため、「不正行為」なくして金儲けは成立しない。だが、そうして不正に手にした大金は結局、災いをもたらすものである。朝鮮では、金持ちが百人いれば百人、千人いれば千人とも不幸になる運命なのだ。
様々な非合法手段を使って金をがっぽり儲けた雲山郡の夫婦の幸せも、そう長くは続かなかった。夫であるテソンが浮気をしはじめたのである。

「目には目を、歯には歯を、浮気には浮気を」
これが最近、成金の間で流行っている新しいスローガンだ。
テソンが浮気をはじめると妻のチュンシルも負けじと、派手な浮気をはじめた。
いや、むしろチュンシルの方がずっと「利口」だった。緻密な計算の下、保安員(警察官)達と情を交わしたのである。

やがて、この夫婦の浮気は町内の格好の噂話となった。
この夫婦の家には、近隣の美男美女がこぞって金のにおいを嗅ぎ付け、出入りしていた。
一人いい気になって、くる日もくる日も浮気を満喫していたテソンは、大金を持ち出して浮気に狂う妻に対し、もう我慢ならぬと怒りを爆発させた。

「このくそアマ! お前の股を引き裂いてやるぞ。このあばずれめ!」
「なにさ、あんたの○○なんか犬だって食わないよ。ふん!」
朝鮮に口喧嘩で女に勝てる男はいない。

たちまち殴る、蹴る、あげくは棒まで持ち出してきての派手な喧嘩になった。家中の家財道具がひっくり返った。
いくらチュンシルの気性が荒いといっても、体の大きな夫に袋叩きにされてはひとたまりもなく、あっという間にのびてしまった。
(つづく)

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