北朝鮮内部の記者シム・ウィチョンは、2008年8-10月、北朝鮮南西部の黄海道の取材を敢行した。シム記者が撮影した映像には、街にコチェビが増えている様がはっきり映し出されていた。物乞いをする子供の姿が市場の周囲にたくさん見られたほか、家族で路上生活をする人たちの姿も目立った。

2008年にコチェビが増加した原因は次のように考えられる。
改革開放に踏み切れず、経済不振が続いているところに、
・ 市場に対する干渉統制が強まった。
・ 世界的に穀物と原油価格が上昇した。
・ 韓国との関係を悪化させて、食糧支援要請をしなかった。

このため、物価が上昇し、とりわけ食糧価格は前年の2倍以上に高騰、一方で現金収入を減らす世帯が増え、生活が破綻して子供を養育できなくなって「子捨て」をしたり、家族離散、家を手放したりするケースが増えたのである。だが、現在の北朝鮮には、このような社会的弱者を救済するセーフティネットは全く機能しておらず、氷点下10-20度に冷え込む北朝鮮の冬を、映像にあるコチェビたちが無事に越すことができたのか心配である。

リムジンガン記者が取材した急増するコチェビの現実をシリーズ(6回)で報告する。


動画 1分44秒  (C)ASIAPRESS
急増するコチェビ(1) 取材:シム・ウィチョン 2008年秋・黄海道

 

◆【動画】北朝鮮内部報告 連続シリーズ(1)
◆【動画】北朝鮮内部報告 連続シリーズ(2)
◆【動画】北朝鮮内部報告 連続シリーズ(3)
◆【動画】北朝鮮内部報告 連続シリーズ(4)
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◆【動画】北朝鮮内部報告 連続シリーズ(6)

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