インタビュー 三人の女性が吐露する金正日体制への本音(2)

対北朝鮮貿易の約8割を占める中国遼寧省丹東市には、貿易や親戚訪問で中国を訪れる北朝鮮の人々を対象にした商店や食堂が軒を連ねる。(2004年9月 キム・ヘギョン撮影)

対北朝鮮貿易の約8割を占める中国遼寧省丹東市には、貿易や親戚訪問で中国を訪れる北朝鮮の人々を対象にした商店や食堂が軒を連ねる。(2004年9月 キム・ヘギョン撮影)

 

取材:石丸次郎/整理:リ・ジンス
■インタビュー 1 カンさん 中

華僑に対する反感の増大
※ 混乱が高じて、これまで中国と行き来して貿易をして富を蓄えた華僑に対する風当たりが強くなったようである。華僑は在北朝鮮の中国国籍の人々で、数万人程度だと言われる。

カン:華僑の中国との貿易も支障が生じました。華僑たちは金を稼いでも、すべて中国元で中国の銀行に貯金して中国に家も買ったりしています。だから、皆口々に「国家に金が入ってこないのが原因で『貨幣交換』をしたのなら、華僑を皆中国に追い出した後、われわれ朝鮮人が公式的に、国家の商業管理所で中国の商品を輸入するようにすれば、国家にお金が入ってくるんじゃないのか。華僑だけに商売を思いっきりさせておきながら、朝鮮人だけ苦しめるのか」と言い合っていたんですよ。

Q:それでも今回の「貨幣交換」で華僑も被害を受けたのではないですか?
カン:彼らも、それは被害を受けましたよ。朝鮮に持ち込んで売り捌くために、たくさんの商品を中国で保管していましたからね。

Q:朝鮮で売れなくなった?
カン:華僑が朝鮮に持ち込むのは、中国ではもうすでに誰も買わないような代物(安価低質なもの)ですから、朝鮮に持っていかなければ売れないのに、「貨幣交換」の混乱で、それができなくなって損をしたわけです。
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