左・合田創(自由ジャーナリストクラブ) 右・板橋洋佳(朝日新聞記者)

(合田)
関連して会場からのご質問があります。ネタ元に対して検察内部に犯人探しはありませんか?
(板橋)
そういう可能性もあるので、証言だけでなく、鑑定をして客観的に証言の裏付けをとろうと考えていました。証言だけをメインに記事にしていたら、証言をした犯人探しがあったかもしれませんね。
(合田)
多くの記者たちの中でも疑問となっていることですが、フロッピーディスクの改ざんに対して検察はどういうつもりでいたのだろうかということです。書面で6月1日とすでに出ている矛盾を、どう言いくるめるつもりだったのでしょうか。予想の話で結構ですので、お答え願えますでしょうか。
(板橋)
最高検の捜査に対しての主任検事は、手元に置いておきたくなかった、と供述しています。もうひとつは、捜査の見立てと矛盾するフロッピーディスクのデータが記された捜査報告書が、弁護側に証拠開示されるとは主任検事は考えていなかったということでしょう。
本来は主任検事がきちんと全部の証拠をみて、それらを公判部に引き継いでいくものです。引き継ぐということは、それが証拠で弁護側に開示されてもオーケーという判断ですから、検察としては間が抜けていたとしかいいようがありません。
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【2011年3月5日(土) エル・大阪2F 文化プラザにて】
★板橋洋佳(いたばし・ひろよし)朝日新聞大阪本社 社会グループ記者(2011年5月10日付で東京本社社会グループ記者)
1976年、栃木県足利市で生まれる。99年4月、栃木県の地方紙・下野新聞に入社。2007年2月に朝日新聞に移り、神戸総局を経て08年4月から大阪本社社会グループ。09年4月から大阪司法記者クラブで検察担当。11年5月より東京社会部に移る。共著に、下野新聞時代に取材した「狙われた自治体-ごみ行政の闇に消えた命」(岩波書店)。

大阪地検特捜部証拠改ざん事件報道を、朝日・板橋記者と語る 第1回

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