○期待とかけ離れた「強盛国家」の実態
:4月15日を迎えるにあたって、あなたの所属する人民班会議ではどんな話が出ていましたか?
:「特別配給」がたくさん出るだろうから、その分、後で国家の期待に色々と応えるようにという話がありました。あげた分だけ後で要求するから、それをしっかり供出するようにという話です。

:うーん。あげた分国家は「もとを取る」ということですね。商売はどうですか?厳しいという話でしたが。それでも朝鮮の庶民の生活は、市場を中心に回っているでしょう。
:とにかく今は商売が上手くいきません。物価の上がり下がりがどれほどひどいか分かりませんよ。中国人民元との交換レート(闇)がどんどん下がるから、物価がその分上がっていくんです。今はトウモロコシが1250ウォン。コメが3100ウォンから3200ウォンです。だから商売人たちの生活水準も、どんどん落ちてきています。なかなか暮らしが改善されませんよ。

:今回、金日成主席の生誕100周年を迎えて、現地の人たちはどんな思いを抱いているのでしょうか?どんな雰囲気なのか教えてください。
:良い雰囲気ではありません。それでも今回の100周年を皆、首を長くして待っていたんですよ。4月になったら「強盛大国が来る」と言って色々な良い噂もありましたから。でも現実と言えば、生活はますます大変になるし、「特別配給」も期待していたものには程遠かったので、本当に失望しているんです。

:朝鮮の国民の失望は大きかったみたいですね。悪い方へと世論が流れるかもしれませんね。
:そうですね・・・。期待したことかけ離れてますから。とにかく国の内情が苦しいから...それでもどうしようもないですよ。国民が理解してあげないと...。
[取材=朴永民(パク・ヨンミン) 整理=李鎮洙(リ・ジンス)]

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