(参考写真)年老いた農民の女性が、収穫後の枯れたトウモロコシ畑で、取り残しを集めて回っている。2008年9月 黄海北道沙里院(サリウォン)市近郊の農村。沈義川(シム・ウィチョン)撮影

特集[2012黄海道飢饉]記事一覧


◆飢饉のピーク越えるも、農業不振続く

春先から黄海道の農村地帯を覆った飢饉は3月から5月にかけてピークを迎え、少なくとも万人単位の死者を出したとアジアプレスでは推測している。穀 倉地帯での悲劇は、6月にジャガイモや野菜などの収穫があって一段落したようである。しかし、4月以降、北朝鮮の広い地域が旱魃や台風に相次いで見舞わ れ、今秋の農業生産は減少が避けられないと思われる。黄海道で飢饉がピークを越えた後の状況について報告したい。事態は深刻だ。来年再び飢饉が発生する可 能性がある。(リ・ジンス 石丸次郎)

◆旱魃に次いで大雨が襲った

今年4月末から1か月以上にわたり、黄海南北道を含む西海(黄海)岸一帯でひどい旱魃が起きた。国営メディアの朝鮮中央通信は、黄海南道の安岳(ア ナク)郡や黄海北道の松林(ソンリム)市では雨が1ミリも降らなかったとし、「60年ぶりの旱魃」とその深刻さを伝えている。今年8月末に中国遼寧省で 会った黄海南道◆◆郡の農村幹部リム氏は、旱魃の様子を次のように語った。
「地面が割れるほどのひどい水不足でした。学生たちが動員されて懸命に畑に水を撒くなどしましたが、ムギ、ジャガイモの収穫が減り、値段が上がりました。ジャガイモは8月中旬を過ぎてもキロ1500から2000ウォン(約20~25円)と高値のままです」。

今年に入ってから、食糧が軒並み2倍以上に値上がりするなど、インフレが続いているが、従来キロ500ウォンほどだったジャガイモの価格は3倍以上の値上がりだ。これは庶民にとって痛手になったはずである。
北朝鮮では前年度の収穫物を消費し尽くした4月頃から、8月に早生トウモロコシの収穫するまでの端境期を「ポリコゲ」と呼んでいる。いわゆる「春窮」であ る。例年、5月末から収穫される新ジャガイモのおかげで民衆は「ポリコゲ」に一息つけるのだが、旱魃による価格急騰のせいで、今年はそうもいかなかったと 思われる。
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