リ・ハナは北朝鮮での学生時代の告白体験を照れながら話した。(左:辛淑玉さん、右:リ・ハナ/撮影:玉本英子)

リ・ハナは北朝鮮での学生時代の告白体験を照れながら話した。(左:辛淑玉さん、右:リ・ハナ/撮影:玉本英子)

◆バレンタインでーとラブレター

:じゃあ、バレンタインデーとか、ああいう行事みたいなものってある?
ハナ:ないですね。なかったです。

:私、日本の学校へ行ったときに、日本人の子と同じようなことをしたいと思ったわけ。みんながやっているから。それでバレンタインデーの時に、手紙書いて、一番まじめそうな男の子にチョコレートあげたの。
なのに、返事がうんともすんともなくて(笑)。それで「あーらら」とか思ったら、35年たって、私の講演会にその人来ていたのよ。公務員になっていて...。「誰か昔、私と会った人っていますか?」って、ステージの上で聞いたの。そしたら手を上げた男性がいたわけ。

「どこで会いましたっけ?」「学校で会いました」って言うの。よーく見てみると、ひょっとして私、バレンタインデーに手紙あげた人かなって思って、講演会が終わった後に、「私、あなたにラブレター出しましたよね」って聞いたの(笑)。そしたら「はい。いただきました」って。「あなた全然返して来なかったよね」って私が言うと、「はい」って(笑)。あなた、それ失礼すぎるわ(笑)。「バレンタインデーって普通はね、好きでも嫌いでもホワイトデーには返すもんよ!」って(笑)。そうしたら、その年のホワイトデーに、ちゃんとチョコレートが送られてきたの(笑)。やっぱり脅迫しないとダメなのよ(笑)。
じゃあ、やっぱりお見合いが多いの?

ハナ:まだまだそういうものでしたね。時代的に恋愛結婚というのはあんまりなくて、恋愛していたとしても、対外的にはお見合いをするという形にして親に会わせたりするとか。形式的なものがどうしてもあって、人の目が特に女の子には厳しくて、ほとんど見合い婚という形をとるというのが多かったと思います。
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