高田昌幸さん(中央)と立岩陽一郎さん

 

高田さんは、日本の報道業界が昭和30年代から「明日発表されるものを今日書く」ことに執着していること、その原因は日刊新聞の記者の大半が官庁の記者クラブに張り付いていることにあることなどを指摘。日本の報道は他国に比べて役所発表が多いという現実に絡め、「役所に記者が張り付く状態が変わらなければ日本の報道は変わらない」と訴えた。

発表報道については、小黒さんも発言。「新聞が発表ものをカバーしていればよかったのはかつての話。ネットで各社の記事が読めるようになったのに、そんなことを続けていては、ますます読者離れを起こしてしまう。環境が変わっているのにマスメディアは追いつけていない」と講評した。

続いて、パナマ文書報道のように会社の枠組みを越えてジャーナリストが連携することで、何が可能になるのかについて、石丸さんが高田さんに意見を求めた。高田さんはまず、「日本では会社の壁を越えるのは大変なこと。部の壁も越えられない。全国紙が地方紙と提携して何かできないか投げかけたことがあるが、全く実らなかった」と述べた。その上で、「地方紙同士では連携で記事を交換することがある。抽象的に枠を越えましょうと言ってもできないが、具体的なプロジェクトを作っていくことで可能になる。重要なのはみんながウィン-ウィンの関係になることだ」と訴えた。

チェラントラさんも、国境を越えて活動するマフィアを追った調査報道を紹介し、「各国の記者と連携することがよい結果につながった。インパクトも大きくなる」と強調。高田さんは「全国紙の警察担当記者や、週刊誌の記者、法曹人などによる報道のチームを作ることが大切。地理的にも分野的にも広がるべき」と付け加えた。

小黒さんは、政治資金センターのように情報を集約し、誰でもアクセスできて使いこなせるようなプラットフォームを作っておくことが大事だと指摘。また、「パナマ文書のような機密保持が必要な事案には、理系のスペシャリストが今後絡んでいくことになるのではないか」とコメントした。
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