◆安全性強調する内容に切り替え

珪藻土バスマットやコースター計355万個超を自主回収しているニトリホールディングスが店舗や自社通販サイトから法令の基準を超えるアスベスト(石綿)を検出した記載を撤去・削除し、安全性を強調する内容に書き換えていることが明らかになった。(井部正之)

東京都内のニトリ店舗内にも「アスベスト検出」の記載はなくなり、ひたすら安全性を強調する内容に切り替わっていた。1月21日撮影

◆通販サイトからこっそり削除

同社は2020年12月に珪藻土バスマットやコースター18製品から法令の基準を超えるアスベスト(石綿)を検出したとして計355万個超を自主回収を発表。現在も回収を続けている。

ところが1月8日に同社通販サイト「ニトリネット」の「珪藻土製品の自主回収に関するご案内」ページを更新、法令の基準を超えるアスベスト(石綿)を検出して自主回収にいたったことを示す記載が削除。発表資料も併せて削除された。珪藻土製品の回収方法を説明する箇所に残された〈通常使用をしている限りはアスベストが飛散する恐れはなく〉との記載からかろうじてアスベスト含有を類推することができるが、直接アスベストを検出したために自主回収にいたったことを説明する記載はなくなった。

しかも自主回収を知らせるページには〈バスマット・コースター以外の珪藻土製品は安全が確認されております。安心してご使用ください〉と記載され、「安心してご使用いただける商品一覧」が強調されている。

同社の企業サイトにはこれまでと同様に発表資料は掲載されているが、通販サイトの利用者には知ることができないことになる。

アスベスト検出の事実がなくなったのは通販サイトだけではない。

東京都内の同社店舗を1月21日に訪れたところ、珪藻土製品の売り場には〈現在、店頭で販売されている珪藻土関連の商品は、外部検査機関において問題がないという検査結果が出ております。ご安心してご使用ください〉との「お知らせ」が大きく掲示され、安全性を強調されていた。

その一方で、アスベストを検出し、自主回収の最中であることを告げる記載は見当たらない。

当初発表からわずか1カ月あまりで原因究明すらできていないなか、店舗や通販サイト利用者にアスベスト検出の事実を伏せようとするのはいかがなものか。

1月22日同社広報部に問い合わせたが、担当者が不在でコメントが得られなかった。