◆分析していなかった輸入業者

珪藻土(けいそうど)バスマットやコースターなどから法令の基準を超えるアスベスト(石綿)が検出され、自主回収が相次ぐ。その原因として「凝固剤」が浮上している。(井部正之)

アスベストを検出した堀木工所のバスマットの断面。植物繊維が多数みえる

◆凝固剤からアスベスト検出か

2020年11月以降、珪藻土製品からアスベストの検出が相次いでいる。すでに60製品超から見つかっており、回収対象は400万個近い。これほど多数の家庭用品からアスベストが検出され回収となるのは2006年9月のアスベスト使用原則禁止以降初めてのことだ。

同12月以降に発覚した家具大手・ニトリやホームセンター大手・カインズ(埼玉県本庄市)のほか、ヤマダホールディングス(旧ヤマダ電機)など45社に卸していた不二貿易(北九州市)の3社が出所の製品はいずれも中国の工場で製造されたものだ。

すでに3社とも、独自に原材料や製品のアスベスト分析をしていなかった品質管理上の不備があったことが筆者の取材で明らかになっている。

では製造工程のどこかで意図的にアスベストを入れたのか。それともアスベストが混ざった原材料を知らずに添加するなどして混入したのか。

原因については、各社とも「調査中」。

だが、原因の1つとして浮上しているのが「凝固剤」だ。

珪藻土は珪藻(けいそう)という「藻」が化石となってたい積したもの。一方、石綿は蛇紋石や角閃石のマグマが特殊な条件で水に冷やされてできたものだ。成り立ちの違いから産出した珪藻土に石綿が入り込むことは考えられない。

珪藻土バスマットやコースターなどは、珪藻土に石灰や紙パルプ(植物繊維)などを混ぜて乾燥させてつくる。珪藻土だけでは固まらないので、固めるための「凝固剤」が必要になる。それが石灰や石こう、セメントなどで、製品によって異なる。

不二貿易が輸入した製品に関連して、販売先の1社から「製品の凝固剤からアスベストを検出したことが原因と聞いている」との証言を得た。意図的な添加なのかなど、それ以上の詳細は不明という。

各社で製造元が異なるとみられ、他社も含めてすべての原因かどうかはわからない。だが、少なくとも不二貿易が輸入した15製品にアスベストが含まれていた原因の1つである可能性がある。

同社にはアスベスト含有の原因も含めて質問事項を送っているが、1月27日現在、回答は得られていない。

厚生労働省化学物質対策課にも問い合わせたが、「個別の事案のため、報告があったかも含めてお答えは差し控えさせていただきます」と拒否した。