北朝鮮地図(製作アジアプレス)

◆タダ働き続き工場を続々やめる

この被服工場では、合弁相手の中国企業の配慮で、労働者には毎月白米15キロ、大豆油5キロが現物支給され、祝日には砂糖などがもらえたそうだ。

「食糧などの支給は、9月初旬に5日分の供給以外にはこの6ヵ月間で全くない状態。生産ラインもほぼ止まっていて、女性労働者たちは国が工場に割り当てた動員労働に投入されている」
という。農場での援農作業や、土木工事現場に送られていると思われる。

そして最近、待遇が悪化するのに伴い、職場にそっぽを向く女性労働者たちが続出している。結婚、職場移動、引越し、病気を口実にして、退社したり転職したりする人が後を絶たないのだ。「タダ働き」していたのでは暮らしていけないからだ。

事態に慌てた当局は、経営に介入して生産を継続するように求めた。工場側は、辞めた者は貿易が再開しても再入社できないと警告して離職を止めるのに必死だが、効果は薄いという。

協力者は、「この被服工場は、かつては女性たちに人気職場だったが、今では人数が半分ほどに減った」という。

アジアプレスの調査では、この1年余りの間に、少なくとも平安北道(ピョンアンプクド)、咸鏡北道、両江道(リャンガンド)の多くの工場が稼働を停止、ないし中断させている。特に原材料を中国に依存してきた企業の打撃が大きい。

※アジアプスレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。