
朝鮮労働党第9回大会を機に、北朝鮮当局が住民統制の締め付けをさらに強めている。過去には主に経済的逸脱行為に集中していた「非社会主義行為」の取り締まりが、今や家庭内暴力、離婚、酩酊などの個人の道徳領域と私生活全般へと拡大している。特に既に処罰の終わった過去の過ちまで掘り起こし、公開批判の場に立たせるなど、取り締まりは恐怖の雰囲気を醸成している。両江道(リャンガンド)に住む複数の取材協力者が1~2月中旬までに伝えてきた。(チョン・ソンジュン/カン・ジウォン)
◆非道徳的な行為も「非社会主義的行為」として摘発
これまで北朝鮮で「非社会主義的行為」と言えば、主にチャパン商売(車を利用した大規模な商売)、闇金融、個人商売など、国家の統制経済制度を脅かす行為に焦点が当てられてきた。
しかし最近、党大会を契機に当局は、「社会主義文化秩序改善」を名目に掲げ、道徳にもとる行為も「非社会主義的現象」と規定し、処罰対象に含めた。
取材協力者A氏は1月末、現地の状況を次のように伝えた。
「非道徳的行為と規定したのは、婚姻届なしの同居(事実婚)、一夫多妻、売春、執事(家事手伝い)の使用、臨時日雇い労働者の雇用、離婚、家庭内暴力、老人虐待、公共の場での不品行、酒に酔って醜態を晒す行為、流言飛語、公共秩序を乱す者…すぐに思い出せるだけでもこれぐらいだが、もっと多い」
金正恩政権が、住民の日常生活を道徳的尺度で細かく監督し、統制が届かない死角をなくそうとする意図があると見られる。

◆職場で集団批判闘争まで
処罰の方法も過去と比べ、はるかに攻撃的に変容した。
かつて、「非社会主義的現象」に対しては法的、行政的処罰が主流だったが、最近はこれに加え、労賃カットや労補物資の供給を制限するなど、経済的に不利益を与える処罰を科すようになった。
※労補物資:「労働補充物資」の略で、国家が配給や労賃以外に追加で労働者に褒賞として支給する食料品や酒、タバコなどの物資のこと。
さらには、人民班や職場などの集団内で、公開批判や糾弾の集会に引っ張り出し、人の面前で「非道徳的」と烙印を押すような処罰が頻繁に行われている。
協力者B氏は2月中旬、こうした「集団闘争」形式の批判、糾弾の深刻さをこう伝える。
「恵山市の靴工場や鋼鉄工場などでは、(集団内の非道徳的)事例に対して、名指しで立たせて思想闘争や批判舞台(舞台に上がらせて批判すること)、集団糾弾集会をやっている。問題があるとされた人たちは出勤を拒否するほど、精神的に辛い思いをしている」
◆過去の行いまで摘発 「引っかからない者はいないですよ」
住民たちを強く脅かしているのは、現在の過ちだけでなく、既に処罰が終わった過去の事例まで掘り起こして批判の対象とするやり方だ。
協力者B氏は次のように伝えた。
「党大会を前に、企業ごとに非社会主義的行為に対する集中的な糾弾集会を行っているが、大半は昨年処罰された内容だ。離婚、家庭内暴力、女性に対する不信と暴力、公共秩序反などまで指摘され、引っかからない者がいないほどだ。中でも家庭内暴力と飲酒、離婚などを集中的に取りあげている」











![<北朝鮮>[写真・動画]栄養失調で衰弱する人民軍兵士「激やせ」で動けぬ者も <北朝鮮>[写真・動画]栄養失調で衰弱する人民軍兵士「激やせ」で動けぬ者も](https://www.asiapress.org/apn/wp-content/uploads/2011/09/20130807-nk011k.jpg)











