◆「戦争のない日が来ることを願うばかり」
幼稚園児のアントンくん(7)は、お絵描きが大好きだ。
「みんなと遊んだり、勉強したりできる。いつも楽しい」
どんな遊びが好きなの、と私が尋ねると、
「石、はさみ、紙の遊び」
と答えた。じゃんけんだ。
ウクライナでは、「1、2、3」の掛け声だが、私が「じゃーんけん、ぽんッ」とやると言うと、彼はすぐにわかった。勝った彼は、笑顔いっぱいだ。

昼過ぎ、アントンくんの両親が迎えにやって来た。父のボグダン(31)さんは警察官。近所の子どもたちはあいついで遠方の町に避難した。アントンくんは親以外に話す機会がないため、学童園に通わせるようにした。
「毎日通うようになってから、言葉や表現を覚え、感情も豊かになりました。とくに同じ年齢の子と話し、学び、遊ぶなかで、社会性が身についたと感じます」

母のマーシャさん(30)にとって、心が安らぐ日はない。
「とくに夜は怖い。ミサイル、誘導爆弾、自爆ドローンが飛んでくるのです。そのたびに家の地下室に駆け込みます。子どもたちのためにも、こんな戦争のない日が来ることを願うばかりです」
戦況がさらに厳しくなれば、家族で別の町に避難することも検討しているという。


◆心に傷を負う子どもたち
国連児童基金(UNICEF)によると、2022年2月の侵攻以降からこれまでに、被害を受けたり、破壊されたりした学校は全土で1611校にのぼる。(UNICEF報告・2025年11月)
子どもたちは戦争が起きていることを理解している、と学童園のオプシェコヴァ代表は話す。
「家を失い、家族が離れ離れになる。仲良しの友達が避難して引っ越していく。毎日、爆弾の音がする。自分のまわりで何が起きているのか、子どもたちは敏感に感じとっています。たとえ親が気づいていなくても、どの子も心に傷を負っています。そして、それは蓄積されています」



前線に近い地域では、ロシア軍が15~20キロに迫ると、軍政局から子どもの退避指示が出される。17歳以下の子どもは保護者と別の町に避難することが求められる。戦況や複数の要素から指示の発令が判断されるが、その目安の一つが、小型の自爆攻撃ドローンの航続距離だ。ロシア軍が20キロ圏内に迫ったクラマトルスクでは、10月に子どもの避難指示が出た。だが、まだ家族とともに残っている子どももいるため、学童園は運営を続けている。












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