ミサイル攻撃から子どもを守る地下シェルターで授業を続けていた学童園。このときここに通っていたのは、低学年児童と幼稚園児、50人。(2025年4月・クラマトルスク・撮影・玉本英子)

◆地下シェルターの教室で学ぶ

ウクライナでは、子どもたちが通う学校もまた、ミサイルや砲撃によって破壊されている。激しい攻撃を受ける東部の町クラマトルスクに、地下シェルターで授業を続ける学童園があった。「子どもの学びの場を維持したい」との思いが戦時下の教育現場を支えていた。(取材・写真:玉本英子) 

ロシア軍の攻撃が激しい東部地域では、ほとんどの学校がオンライン授業。だが、プラネット学童園はクラマトルスクで唯一、対面での授業を続ける。階段を下りた地階が教室になっている。(2025年4月・クラマトルスク・撮影・玉本英子)
地下スペースが教室になっている。細長いフロアの両脇に教室がある。(2025年4月・クラマトルスク・撮影・玉本英子)

◆学びの場を確保したいとの思い

ウクライナ東部ドネツク州の要衝、クラマトルスク。ロシア軍は20キロ先にまで迫りつつあった。連日のようにミサイルや自爆ドローンによる攻撃が加えられ、多くの住民はあいついで別の地域へと避難した。だが、市内には、まだ残る住民もいる。ウクライナではオンライン授業か、地下シェルターが設置してある学校は登校しての対面授業が続く。前線地帯に近いほとんどの地域の子どもは、登校ではなく、ネットを通じたオンライン授業を受ける。子どもたちが同級生・先生と顔をあわせる場所は、パソコンやスマホの画面上だ。そんな中、地下シェルターで授業をする学童園がある。

お遊戯の時間、元気いっぱいの園児たち。戦時下では、屋外で遊ぶ機会も減り、子どもどうしのコミュニケーションも減った。ここでは、ともに学び、遊ぶなかで、社会性を培う。(2025年4月・クラマトルスク・撮影・玉本英子)

4月、市内の住宅地の大きな一軒家を訪ねた。私設のプラネット学童園だ。入り口に子どもたちの小さな靴が並ぶ。ここに通うのは、低学年児童と幼稚園児、約50人。地下への階段を降りると、コンクリートで囲まれた細長いフロアがあった。机を囲んで、お絵描きをする園児たち。

「とてもうまく描けたね」「色がきれい、すごいね」

先生は、ひとりひとりにやさしく語りかける。

子どもたちとの対話を絶やさない。ひとりひとりの言葉をきちんと聞き、会話していた。(2025年4月・クラマトルスク・撮影・玉本英子)

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