ネパールの元皇太子パラス・シャハが、違法に所持していたピストルを発砲したことに関して、シャハを法に従って処罰せよと求める声が強まっている。

シャハは11日夜、宿泊していたチタワン国立公園内にある高級リゾート・ホテル"タイガートップス"で、外務大臣・副首相を務めるスジャータ・コイララの娘婿ルベル・チャウダリと口論になりピストルを発砲したと報道されていた。
チャウダリは14日付けの日刊紙ナガリクへのインタビューのなかで、シャハが酒に酔って、「あなたたち(コイララ家)のせいで、王制がなくなった」と責めながら、ピストルを取り出し、チャウダリとその妻、娘を殺すと脅したことを明らかにした。

チャウダリの義理の母であるコイララ外務大臣は、ネパールが共和制になったときに首相を務めていた故ギリジャ・プラサド・コイララの一人娘である。
チャウダリは、元皇太子が正気のうちは友好的に話しをしていたが、泥酔したあとに王制とネパールの政治の話におよび、彼のこめかみにピストルを当てて脅したと話している。危険を感じたチャウダリを別の部屋に匿ったのはシャハの護衛官だった。

シャハは13日付けの日刊紙ナガリクにあてた声明文のなかで、自身が発砲したことを認めている。元皇太子が明らかに違法な行為をしたにもかかわらず、警察が放任していることに対して、14日付けの複数の日刊紙(カンティプル、ナガリク)は、シャハを逮捕して法に従って罰するべきとする社説を掲載した。

一方、コイララ外務大臣が属する政党であるネパール会議派は13日、シャハを即刻逮捕して処罰するよう求めている。
これに対して、ネパール政府は13日、3人のメンバーからなる調査委員会をつくり、事件の調査を始めた。内務省は事件に関連して「違法な行為を行ういかなる人物も処分される」と、シャハを処罰することを示唆する声明を出している。

2008年5月にネパールが共和制になるまで、シャハ王家のメンバーは犯罪を犯しても法にのっとって裁かれることはなかった。パラス元皇太子は、王制のときに、人気歌手を車の事故で死なせるなど、複数の事件に関わっているが、これまで罰せられることはなかった。
(カトマンズ 小倉清子)