ロルパ郡ホレリに行く途中、ロルパ北部の山々とルクムの山々(奥の雪をかぶった)を望む。(撮影:2006・12 小倉清子)

ロルパ郡ホレリに行く途中、ロルパ北部の山々とルクムの山々(奥の雪をかぶった)を望む。(撮影:2006・12 小倉清子)

 

nepal_maoist_B0200_001

 

■ 第17回 「人民戦争」初日の襲撃に参加した2人の女性(1)
人民戦争を始めるにあたって、マオイストはその本拠地となるロルパ郡とルクム郡の各村を三つに分類した。
マオイストの影響が強い、つまり支持者が多い"本拠地"とマオイストの基盤が弱い"プロパガンダ地域"、そしてその中間にある"ゲリラ地域"である。

政府がマオイストの活動をコントロールするために警察隊を展開したロルパ北東部や、ロルパ中部の一部の村(ジャンコットやコトガウンを含む)は本拠地に含まれる。

一方、マオイストの基盤が弱いロルパの南部にある村々はプロパガンダ地域の範ちゅうに入る。ルクムでは、郡庁があるムシコットよりも東にある地域が本拠地である。

人民戦争の初日には、ロルパとルクムのそれぞれの郡で、プロパガンダ地域にある警察詰め所を襲撃する計画だった。"プロパガンダ"が最初の襲撃の主な目的だったからである。

つまり、初日の襲撃は人民戦争が始まったことを知らせるシンボリックなアクションだった。人は殺さないこと、できれば、警官がもつ銃を奪うという方針だった。

ロルパでは南部にあるホレリ警察詰め所が、ルクムでは西のはずれにあるアトビスコット村のラディ警察詰め所がターゲットに選ばれた。
ウシャたち戦闘隊のメンバーは2月12日の夜、村人たちが寝静まってから、ヒャンのシェルターを出てホレリに向かった。ホレリは山の峰に数十軒の家がはりつくようにして並ぶ小さなバザールである。

★新着記事