2006年3月にタバン村を訪ねたときに会った女性ミリシア。このころになると、マオイストの武装勢力には大勢の女性がいた。(撮影 小倉清子)

2006年3月にタバン村を訪ねたときに会った女性ミリシア。このころになると、マオイストの武装勢力には大勢の女性がいた。(撮影 小倉清子)

◆ 第32回 タバン村の女性ミリシア(義勇軍)部隊(2)
女性ゲリラの取材をするために再びタバン村を訪れた私は、タバン村の最初のシャヒダ(殉教者)となった女性ラリ・ロカの長兄である"ゴレ"に会った。
ゴレから話を聞くうちに、彼が女性だけからなる最初のミリシア部隊を作った張本人であり、チャハナはそのメンバーの1人であることを知ったのである。

ゴレが女性だけのメンバーからなるミリシア部隊を結成した経緯を語った。
「1999年2月のことでした。党からの指示で、タバン村で最初の女性だけからなるミリシアを結成することになったのです。このミリシアの部隊には7人のメンバーがいました。チャハナはそのなかで最も年長者のメンバーでした」

タバン村を含む地域の党責任者だったゴレは、タバン村を取り囲む山の頂にある小屋にチャハナら7人のメンバーを集めて"結成式"を行った。
この部隊のメンバーは自家製ライフルのバルワ・バンドゥクを持ち、党の会合があるときには村の党員や支持者を官憲から守ったり、敵に関する情報を集める活動をした。

ゴレからこの話を聞いたあと、私はチャハナに会うために、タバン村のフンティバンにある彼女の家を訪ねることにした。ゴレが同行してくれることになった。

トゥーロガウンからフンティバンまでは歩いて1時間半ほどかかる。水のない川原を歩き、ジャルジャラ山を右手に見ながらりんご畑を通り、再び川に降りてタバン川の源流をさかのぼる。チャハナの家は川原から丘を登ってすぐのところにあった。

その日、幸運にも彼女は自宅にいた。2階のベランダで、織機で木綿の布を織っているところだった。私たちが行くと、台所の火をおこし、お湯を沸かして甘い紅茶を作り、ジャガイモをゆでてくれた。
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