イランの天然ガスをトルコへ移送するパイプラインが8日未明、トルコ領内で破壊された。破壊は爆破によるもので、クルディスタン労働者党(PKK)によるものと見られる。イランの各通信社が伝えた。
この爆破は、イランとの国境に近いアール県ドウバヤズィット市近郊のパイプラインを狙ったもので、現在イランからトルコへの天然ガス移送は停止している。復旧には10日ほどかかるという。

クルディスタン労働者党(PKK)のゲリラ部隊。イラク、イラン、トルコにまたがる国境の山岳地帯を拠点に武装闘争を続けている。各地から志願してきた若者をイラク領内のキャンプで軍事訓練する、PKKの4割ほどが女性ゲリラで構成されている。(2006年/FILE/撮影:玉本英子)

トルコではパイプラインの爆破攻撃が立て続けに起こっている。この事件の5日前には、アゼルバイジャンからトルコへ天然ガスを移送するパイプラインがトルコ領内で爆破された。これらの爆破事件によってトルコは現在、イランからもアゼルバイジャンからも天然ガスを輸入出来なくなっており、復旧状況によっては今後の国内供給に問題を来たす可能性がある。
今年4月と8月の2度にわたって、イラクからトルコへの石油パイプラインも爆破され、トルコ政府はいずれもPKKの犯行と見ている。

PKKは武装闘争激化を表明しており、一連の爆破事件はトルコへの攻撃強化を示すものと見られる。
今回の事件はイランにとっても大きな痛手となる。イランからトルコへはこれまで日量2700万立方メートルの天然ガスが輸出されている。今月5日には、両国の経済合同委員会で、イラン産天然ガスの輸入増加が話し合われたばかり。同日にはEUがイラン産の原油に加えて天然ガスについても禁輸措置を発表したため、イランにとってトルコへの天然ガス売却は更なる重要性を帯びていた。
【大村一朗】