イスタンブールのベヤズィット・モスクでの礼拝後、群衆から「アメリカ打倒」の声が上がり、機動隊が強制解散させようと催涙ガス弾を発射。ガスを浴び、現場から引きずり出される筆者。(2001年10月・トルコ・イスタンブール・撮影:アジアプレス)

◆9.11アメリカ同時多発攻撃事件

私がスカーフ問題着用禁止問題で闘うイスラム女子学生の取材を始めるきっかけとなったのは、当時起きたアメリカでの同時多発攻撃事件だった。

2001年9月11日、4機の旅客機がハイジャックされ、うち2機がニューヨーク貿易センタービルに旅客機が突入、ワシントンの米国防総省まで攻撃された。一連のテロでの犠牲者は約3000人に及んだ。ブッシュ大統領(当時)は、イスラム過激組織アルカイダとその指導者ビンラディンが事件を首謀したとし、潜伏先のアフガニスタンでの空爆作戦へとつながっていった。(玉本英子・アジアプレス

イスタンブールのベヤズィット・モスクを取り囲む機動隊。人びとの礼拝が、政治集会に転じないよう警戒していた。(2001年10月・トルコ・イスタンブール・玉本英子)

◆「ビンラディン万歳」叫ぶ群衆、機動隊は催涙弾

9.11事件が起きたとき、私はトルコにいた。イスラム教徒がほとんどを占めるこの国で、事件はどう受け止められているのか。イスラムとは何なのか、人びとは事件をどう見ているのか。イスラムに焦点をあてて、様々な人や団体にコンタクトをとることにした。

イスタンブール旧市街ベヤズィット・モスク。金曜日の礼拝にはとくに多くのイスラム教徒が訪れる。アメリカの9.11事件をうけてブッシュ大統領がアフガニスタンへの軍事行動を発表した直後の金曜日、不測の事態を警戒し、モスクの周りには警察の装甲車が配置された。礼拝に集まった数百人の人びとの周りを機動隊が取り囲む。周囲の建物の屋上には、自動小銃を持った警官まで立っている。

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