「我々は核武器を持ったと宣布したので、もう、誰もばかにすることができないし、潰してやろうと襲ってくることもない!」なんていうような、でかいことを言ってるわけだ。

リ:今、どこの職場でも核問題の講習を受けている。しかし、受け取り方は人によって考えが違うようだ。
「昔は、首領様は人民を常に第一番にして、人民の力に依拠して政治をうまくやっていたが......、今は核を握って先軍政治をやっているので、人民はほったらかしだ」という人もいる。核をきっかけに「こんな政治ではしんどいな」と、民衆が考えるようになったようだ。
幹部たちの講習からは、今後、経済が回復するという希望はあるのかい?
幹部A:幹部対象の講習会でも「強盛大国の黎明がやってくる」と言ってたな。
経済が回復するかどうかについては「朝鮮は核実験に成功したから経済に力を入れることができるだろう」という外国の反響を伝えただけだ。

リ:党員、労働者の講習でも「強盛大国になった」と言ってるんだが、それはどういう意味だろう?
幹部A:「なった」ではなくて、その「黎明がやってくる」と言ったんだろう。我々も講師に聞いてみた。

「我々は近いうちに強大国になるのか? だとしたら経済も回復するのか?」
すると講師は「経済に力を入れることができるだろう」というこの部分を、「外国の反響」だと強調して言っていた。つまり、政府はそう言っていないが、世界でそう言われていると言いたいわけだ。

リ:首領様がいらっしゃるときはよかった。
幹部A:「白い飯に肉スープ、絹の服に瓦屋根の家」というのが、国家配給体系の目標だった。
現在の中国は改革開放をして昔とは比較にならないくらい良い暮らしをしている。その生活水準は、国家配給体系では実現できない水準だ。
我々も、これからはそのようにやるしかないだろう。

リ:首領様がいた時は配給もちゃんとあったじゃないか。
幹部A:それは社会主義だ。ソ連時代の経済体制なんだよ。今はそんなもの全部だめになってしまった。
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