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北倉(プクチャン)18号管理所出所者の証言 2

「18号管理所」

※証言者の話の中から、全体の理解のために、まず「18号管理所」の位置と沿革に関する部分を整理して記しておく。

私たちが着いた所は、平安南道北倉(プクチャン)郡得将(トゥクジャン)地区にある「18号管理所」の庁舍だった。後で分かったことだが、この統制区域の西は价川(ケチョン)郡である。北には徳川(トクチョン)郡が隣接している。得将には、管理所の庁舎を含め、立派な建物がずらりと並んでいた。
そこで「移住民」(注1)と呼ばれる私たちの登録が行われた。

前述したとおり、私たちを連れて来た平壌の保安員たちとは、最初の鉄条網の壁の前で別れた。登録を終えた私たちは管理所の人間に引き継がれ、トラックも管理所内の運転手が運転した。
到着した場所は遂安(スアン)という山の中の地区だった。これから強制的に住まわされ、地獄のような炭鉱労働が待っている陰惨な場所だった。

※「18号管理所」は、朝鮮民主主義人民共和国の人民保安省教化指導局傘下の機関である。
名称だけ見れば国家の法務警察機関のように思われるが、「18号管理所」は、事実上、「党の唯一思想体系」確立のために、政治的懲罰を与える朝鮮労働党の機関である。つまり、党首脳部の直接的な指示によって、党の組織指導部が実質的に運営する「革命化」実施機関なのである。

二一世紀の今日、人権尊重を理念とする国連の構成国である主権国家が、このような法に則らない懲罰機関を堂々と保有する政党の存在を黙認しているとは、世界に類を見ないことであろう。

しかも、その懲罰機関である「管理所」の中には、党員だけでなく、裁判を受けていない数多くの非党員たちまで収容されている。さらに、本人が犯した「罪」とはなんの関係もない幼い子供たちまでもが、その家族だという理由だけで強制収容されているのだ。
朝鮮には様々な「管理所」があるが、人民保安省の傘下では、現在「18号管理所」だけが残っていると思われる。
国家機関である人民保安省が党の懲罰機関である「管理所」の運営を肩代わりしているのは、これを通じて保安省に莫大な経済的、行政的利益があるからだ。
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