休日の公園でディスコ風ダンスに興じる若い男女。以前はこのような「資本主義の退廃的」なダンスは、人目をはばかって踊るものだった。(2006年8月清津市 リ・ジュン撮影)

休日の公園でディスコ風ダンスに興じる若い男女。以前はこのような「資本主義の退廃的」なダンスは、人目をはばかって踊るものだった。(2006年8月清津市 リ・ジュン撮影)

 

リムジンガンの協力者で、中国の朝鮮族であるワン・ジリン(王池林)は、二〇〇七年一一月、親戚訪問で朝鮮の平安南道平城(ピョンソン)市を訪れた際、そこで会ったリ・ギョンエ(李慶愛〔仮名、女性、一九歳〕)にインタビューを行った。
中学を卒業して間もない彼女は、勉強や恋愛の悩みなど、最近の朝鮮の女子学生事情について語ってくれた。

お金をせびる学校
ワン・ジリン:今は誰と一緒に住んでるの?
リ・ギョンエ:私には兄弟がいなくて、母は病気で亡くなり、父も病気で長期療養中なんです。
父は以前、外貨調達ビジネスをする職場にいたんですが、仕事中に怪我をして、ちゃんと治療できなかったために、それ以来病床に就いています。母はそんな父の体の治療のために一〇年間ずっと頑張ってきたんですが、今度は自分が病気になってしまって亡くなってしまいました。
父の病状は相変わらずで、今でも家の中の力仕事は私がしています。

ワン:去年、中学校を卒業したんだよね。学校生活は楽しかった?
ギョンエ:学校っていったって勉強なんかすることはできませんから......。勉強のよくできる子がクラスに一人か二人いたんですけど、家が貧乏な子で大変でした。

学校では、何かと「○○に必要だから、お金を出せ」と言われるんです。......お金を出さないと他の子たちからからかわれます。学校に出すお金は、多い時は一日に五〇〇〇ウォン。とにかく毎日何か払うものがあるんです。自分が使う分まで入れると七〇〇〇ウォンぐらい。

だから親は、「いっそのこと一ヶ月に一〇万なら一〇万を払えって決めて、その代わり子供たちに勉強だけはしっかり教えてくれるように法律で決めろ」なんて言ってました。
何が一番多いかって言うと軍隊の支援。その次はクズ鉄集めとか、そんなこんなでお金が要るんです。

ワン:ギョンエはどうやってそのお金を払ったの? お父さんの具合が悪いのに。
ギョンエ:何とか頑張って、払うことは払ってました。後で払うからって言っておいて滞納すると、他の子たちから仲間はずれにされてしまうんで。お金が払えなくて学校に行かずにいると、非常召集がかかって、無理に学校に連れて行かれて毎日夜遅くまで残されるんです。そうなると朝起きるのが辛いから......。
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