北朝鮮の旧公民証。2004年に更新されたものだ(アジアプレス)

 

◆女性の服脱がせ下着の中までチェック

国内では検問の強化も進んでいる。北部両江道(リャンガンド)に住む取材協力者の女性は、商売の漢方薬材料の仕入れのため、5~6月に郊外の農村を回った。移動の途中で頻繁に警察の検問を受けたとして次のように言う。

「荷物だけでなく車のシートまでを外して隅々までチェックする。知り合いの農家に入ったところ、保安員が押しかけてきて『宿泊登録をしていない』として連れていかれた。30キロ分の薬草はすべて没収された」

さらに厳しいのが「10号哨所」と呼ばれる保衛省(秘密警察)が管轄する検問所だ。咸鏡北道の女性の協力者は検問の近況を次のように伝えてきた。

「『10号哨所』に金属探知機が導入された。荷物と体に当ててピーと音がすればすべて見せなければならない。女性だからいって容赦はなく、服も脱がされるし下着の中までチェックされる。恐ろしくて引っかかりそうなものは一切身に着けない」

保衛員が特にマークするのは、中国から入ってくるUSBやメモリーカード、中国の携帯電話、覚せい剤などだという。(カン・ジウォン)

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