◆アマゾン以外の法違反も?

インターネット通販大手アマゾンで販売されていた珪藻土(けいそうど)バスマットから法令の基準を超えるアスベスト(石綿)が検出されたと厚生労働省が発表した。これまでの事例と異なるのは、同省がアマゾンについても法違反の可能性があるとして調べていることだ。(井部正之)

KMJがアマゾンに出品していた珪藻土バスマット。厚生労働省が独自分析でアスベスト含有を確認した。厚労省発表資料より

◆出品者は海外? アマゾンに責任の可能性も

厚労省は1月29日、アマゾンで販売されていた珪藻土バスマット2製品に労働安全衛生法(安衛法)の基準(0.1%)を超えるアスベストが含まれていたと発表した。

2つの製品とは、出品者・KMJの「KEISOUDOS1高品質珪藻土バスマット(40cm×30cm、色:ベージュ)」とJASKIVIの「珪藻土バスマット(40cm×30cm×0.9cm、色:グレー、バスマット表面に「JASKIVI」の彫り込みあり)」。いずれも中国からの輸入品。

同省化学物質対策課によれば、今回のアスベスト検出は同省が購入した上記2製品について、独自に分析委託して判明した。KMJの製品からはアスベストの1つトレモライト、JASKIVIの製品からは同じくクリソタイル(白石綿)をそれぞれ検出した。定量分析の結果については明言を避けたが、「0.1%超で1%に満たないくらい」(同省)という。

アマゾン以外のインターネット通販サイトでも売られていた可能性があり、「確認中」(同)。販売数はアマゾンだけで2製品合わせて「数百くらい」(同)としている。

2006年9月以降、アスベストを0.1%超含む製品の製造などが禁止されている。そのため、同省はアマゾンの安衛法違反の可能性もふくめ「事実関係を確認中」と明かす。

やっかいなのはアマゾンに出品していた2社が国外に所在する可能性があるうえ、インターネット通販で販売されたことだ。その結果、誰がどこで販売し、輸入したのかなど事実関係が複雑になっている。なお、便宜上「2社」としたが、会社なのかどうかや所在地など同省が確認中。

特定商取引法上、アマゾンは「販売業者」に当たる。しかし、同社はかねて売買の場を提供しているだけと主張しており、決済も海外となると日本の法律がおよぶのかといった問題も生じる。

◆「フリー記者対応できない」と差別的

こうしたあたりを同省に聞くと、「場所だけ貸しているからなにも問われませんということではない」と強調する。

じつはアスベストの禁止規定は製造だけでなく、輸入、譲渡、提供、使用と幅広い。

同省は「譲渡・提供・使用のどれかにあたる可能性がある。その辺の区別も含めて事実関係は確認しているところです」と明かす。

2月1日、アマゾンジャパンに電話で取材を申し込んだが、「フリーランスは対応できない」と拒否。フリーランスに差別的な対応をするのかと指摘したところ、同社パブリック・リレーションズ本部ではなくカスタマーサービスが取材に応じた。

同社は「珪藻土マットの安全性に関しては安全性の確保に努めてまして、安全性の確認が取れないものや安全性に問題あれば販売を中止いたします」と説明。

自主回収については「関係者と検討中。対応方針が決まりましたらお客様にご連絡させていただく」(同)という。

具体的な安全確認の方法や販売者の情報、安衛法違反の可能性への見解、再発防止のいずれも「お答えしかねます」(同)などと明確な回答はなかった。

今回の問題はアマゾンだけの話ではない。ほかのインターネット通販サイトでも同じように販売があれば、法違反の可能性がある。売買場所の提供だけなので製品の安全確保は出品者に任せきりとの現状でよいはずがない。そのことを安衛法は示唆している。