(参考写真)恵山市場の女性商人たち。商行為で生計を維持してきた住民にとって、都市封鎖に伴う市場閉鎖は大打撃だ。2013年8月に撮影アジアプレス

新型コロナウイルス遮断名目で3月3日からロックダウン(都市封鎖)されていた両江道恵山市。封鎖は2020年11月、2021年1月に続いて3度目だ。当初、当局は30日間の封鎖を予告し、住民の外出禁止、市場閉鎖措置を取っていたが、封鎖は4日の晩に突然解除された。10日現在、統制は市外との往来が禁じられる水準に落とされている。

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なぜ、たった二日間で封鎖は解除されたのだろうか? 住民たちから強い反発が噴出したことが関係しているようだ。恵山市に住む複数の取材協力者たちによれば、封鎖の通告が3日の15時に出された直後から、抗議や反発が続出していたという。以下は協力者らの説明だ。

「立て続けの3度目の封鎖で、もうこれ以上耐えられないと規制を守らず家から外に出る人が多く、統制のために動員されていた保安署(警察)機動隊らと、アパートの入り口でもみ合いまで発生した」

「不満を爆発せて抗議する人には老人が多かった。病気を持つ男性が、封鎖の知らせを聞いて、外に出て『私を殺せ』と騒いで人が集まり、機動隊が動員された」

「ヘタン洞の事務所を訪れた老人が、『食べる物がない。コメを配ってから封鎖しろ。できないならここで死んでやる』と洞事務所の庭で騒いだため、洞事務長が緊急救護米を出すと説得して、なんとか帰らせた」

「老人たちは、金正恩の悪口を言うのではなく、道や市の党幹部らが虚偽報告をしており、 人民が困窮していることをちゃんと報告せずに封鎖だけして飢えさせようとしている大っぴらに話している。遠まわしな政府批判だ」

封鎖後、外出と移動禁止措置を守らない人が続出していたとして、協力者の一人は次のように述べた。

「規制を無視して外出して警察に拘束された人が4日だけで60人を超えていたそうだ。住民の不満と反発があまりに強いため、封鎖を解除したのだろうと、皆言い合っている」

中国に越境していた女性が、鴨緑江を越えて密かに恵山市に戻っているのが発覚して逮捕されたのが、恵山市の三度目の封鎖の理由だったと当局は説明していたというが、真偽は確かではない。(カン・ジウォン)
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。