(参考写真)細い首にだぶだぶの軍服。30歳だというこの下士官は「栄養失調で故郷に戻される途中です」と証言。建設部隊所属であった。2013年8月に北部地域で撮影。(アジアプレス)

 

◆入隊拒否は親を処罰

金正恩政権は、今春軍服務(兵役)期間を短縮して男子8年、女子5年とし、満期除隊兵士を農村や炭鉱、鉱山など、労働力不足が深刻な産業に配置することを決定した。一方で、高級中学校(高校に相当)を卒業する者の「召募」(新兵採用)を例年通りに行った。北朝鮮のリクルートの現状について報告する。(カン・ジウォン/石丸次郎

北部地域に住む複数の取材協力者は、3月後半から国防省の隊列補充局傘下で兵役事務を担う「軍事動員部」の担当者と会ったほか、息子を今春4月に入隊させる複数の親から聞き取りをした。

新兵の選抜事業には、やはり新型コロナウイルス事態の影響が出ていた。身体検査は学校別、地域別に分けて時間を区切って行ったため遅延しているという。

「『軍事動員部』の指導員は、基本的に募集は終わったが、身体検査と最終面談が遅れているため、今年は時間がもう少し長くなるだろうと話した」と協力者は言う。

「軍事動員部」の指導員によれば、今年は、高級中学卒業生(満17歳)からまず大学進学を優先的に選抜するという方針があったという。中央からの「技術人材養成に集中せよ」という指示があったためだ。成績の良い学生たちは進学を勧められ、協力者が調べた北部地域のある中学校の場合、卒業生32人のうち8人が大学に進学したという。

大学進学が叶わなかった学生は、軍に入隊するか人民委員会(地方政府)労働課で職場に配置されることになる。以下は、調査した協力者との一問一答だ。