◆軍入隊忌避がばれたら?

――今年の入隊者の身体検査における身長と体重の基準は?

男子の合格身長は142センチだそうだ。体重には基準がなく、本当にガリガリの虚弱でない限り入隊させている。

――軍入隊を避けようとする風潮が強まっているというが?

北朝鮮社会には、軍隊を務め上げて労働党員になってこそ出世し発展できるという風潮がまだ残っているので、多くの親は息子を軍隊に送ろうと考える。一方で、今の世の中は金次第だ。党員になっても統制でがんじがらめだし、出世するよりもうまく商売をこなして稼いだ方がいい暮らしができる。それに入隊した新兵の多くが劣悪な食事のため栄養失調になる。こういう「世の仕組」や事情が分かっている親は、息子に持病がある、てんかん持ちだ、などの理由を作って、なんとか息子を入隊させまいとする。このような傾向は、数年前から強くなった。

――入隊を避けようとした場合はどうなるのか?

軍隊に行こうとしない者たちは「忌避者」と呼ばれ、入党、幹部登用、昇進推薦など、出世できる機会の一切を失うし、「忌避者」のレッテルは永遠に付いて回る。

――逆に軍入隊を許されないのはどのような場合か?

精神的に問題があったり、家族の中に殺人を犯した者、死刑になった者、政治犯がいたりすると入隊から除外される。そのような者は卒業後に農村や一般の職場に配置されるのが普通だ。

――入隊者が年々減っている中で、「忌避」が露呈した場合、処罰はあるのか?

息子が入隊を拒否したり、「忌避」がばれると、連帯責任で親は職位を剥奪されたり、党員の場合は除名措置の処罰を受ける。調べた中学校でも数人いた。親が党員でもなく一般農場員のような場合は、親に無報酬労働をさせているそうだ。

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

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