(参考写真)公設市場で商売する女性。衛生帽を被るのが市場のルール。2013年6月に恵山市にて撮影アジアプレス

 

北朝鮮各地の市場で混乱が広がっている。

6月に入って急騰した主食の白米、トウモロコシの価格は19日に一端下落したが、22日に急上昇し各地で今年最高値を記録。先行きが見通せない市場では、取引をやめる商人が続出し、住民の間で不安が大きくなっている。(カン・ジウォン/石丸次郎

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アジアプレスでは、北部の両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)市と咸鏡北道(ハムギョンプクド)の茂山(ムサン)郡、会寧(フェリョン)市で21~22日に市場調査を実施した。

各地で若干の価格差があったが、白米、トウモロコシの価格が急騰した。各地の価格を平均すると以下のように推移している。価格は1キロ当たりの朝鮮ウォン。

〇白米
4200(5/28)→ 4900(6/8)→7000(6/15)→6500(6/19)→7500(6/22)

〇トウモロコシ
2200(5/28)→ 2800(6/8)→5300(6/15)→4600(6/19)→5500(6/22)

「主食が高騰して、皆、死ぬ思いですよ。他の商品もこれからどうなるか分からないので、商人たちは売ろうとしない。中国産品は物自体がなくて売っていないし、国産品も全て上がって取引が止まっています」(会寧市の取材協力者)

「今回の高騰は深刻だ。これからどうなるか…恐ろしい。高値販売を取り締まる市場管理員や警察官、価格取り締まり班も当惑して、介入できない有り様だ。現物を持っている人は売ろうとしないし、市場はほとんど機能していない」(恵山市の取材協力者)

◆中国元が異常な急落

また、中国元の交換レートが先週末に比べて20%も下落した。米ドル比べても国際為替相場とかけ離れた値動きを見せる異常事態が続いている。

〇1中国元(=約17.1円)
970(5/28)→670(6/8)→590(6/15)→610(6/19)→505(6/22)

6月22日の1米ドルの実勢交換レートは5450ウォンだった。国際相場で計算すると、1中国元は約840ウォンに相当するはずだ。

◆中国からの支援米を配布予定か

一方、中国から南浦(ナムポ)港に支援食糧が入って来るという情報が広がっている。会寧市の協力者は当局から住民に告知があったとして、次のように伝えてきた。

「7月初めに中国から食糧が送られてくるが、まず協同農場の『絶糧世帯』から配ると告知があった。農場内では支援が必要な世帯に申請を出させて登録を始めた。知人のいる農場では7割の世帯が登録した」
絶糧世帯」とは、食糧と現金が尽きた家庭のことをいう。

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。