高市政権は「スパイ防止法」(その実態は国民・市民監視法)の制定を目指している。自民党と維新の会の「連立政権合意書」にある「スパイ防止関連法制」のひとつ「外国代理人登録法」には、日本の市民が不戦・平和のために外国の市民と交流を深め、国際連帯を築こうとするような運動を、「外国勢力」と内通する動きと見なして監視下に置き、排外主義を煽って社会的に孤立させる狙いも秘められているのではないか。(吉田敏浩/写真はすべて筆者撮影)
◆大軍拡・戦争準備に反対する市民団体からも危惧の声が
本連載(2)で述べたように、維新の会は「外国代理人」を「外国政府並びに外国の組織及び企業等の利益のために、国内で政治的又は宣伝的な活動を行う者」と定義し、「政府の所定機関」への登録と、「活動内容及び資金の出所等」の報告を義務づけ、それに違反したら処罰する構想を示している。その構想は自民党も共有するとみられる。
しかし、このような定義は非常に曖昧で、いくらでも拡大解釈でき、恣意的に運用されるおそれがある。国家秘密法制の問題に詳しく、「スパイ防止法」の危険性を説く海渡雄一弁護士(秘密保護法対策弁護団共同代表)が指摘するように、「たとえば日本人と中国人が交流を通じて日中の戦争が起きないように努力をしようという活動」が、政府当局に未登録で
おこなわれた場合、「犯罪にされてしまうおそれ」がある。
そのような活動をする市民団体が「外国勢力と見なされて監視対象にされかねない」のである。市民の自由な活動が委縮させられ、憲法第21条「集会・結社・表現の自由」が脅かされることにもなる。
実際、高市政権が進める敵基地・敵国攻撃能力を持つ長射程ミサイル配備など、専守防衛を逸脱し、中国を仮想敵国視する大軍拡・軍事費膨張の戦争準備に反対する市民団体からは、「スパイ防止法」に対する危惧の念が示されている。

台湾有事に自衛隊が米軍とともに軍事介入し、沖縄はじめ日本も戦場となり、かつての沖縄戦のように民間人にも被害が及ぶことを憂慮する沖縄の市民団体、「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」共同代表で、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表でもある具志堅隆松さん(72歳)は、「『スパイ防止法』について大変心配しています」と述べる。
そして、同会が取り組む日本と中国の市民どうしの対話、相互理解を通じた不戦・平和のための国際連帯にふれたうえで、「スパイ防止法」がそのような取り組みを妨げるのではないかと、次のように懸念と反対の意思を表した。
次のページ: ◆不戦・平和の国際連帯までもスパイ活動視されかねない... ↓










![<北朝鮮>[写真・動画]栄養失調で衰弱する人民軍兵士「激やせ」で動けぬ者も <北朝鮮>[写真・動画]栄養失調で衰弱する人民軍兵士「激やせ」で動けぬ者も](https://www.asiapress.org/apn/wp-content/uploads/2011/09/20130807-nk011k.jpg)












